亀井水の意外と気が付かない特殊さ
見出し写真は、亀型水盤の本来の導水孔。
亀井水の亀型水盤が、いかに特殊な存在か。
導水装置に生物をデザインするとき、人間はまずその生物の口から水を出す仕掛けをします。
その常識に従い、明治末に、上の亀の噴水を取り付けられた。1300年間護られてきた姿を、“常識”という独断で、変えてしまった。
亀型水盤の頭を、上の亀の頭が隠してしまったのでわからなくなりましたが、本来は、亀型水盤の頭に水を落とし、頭の空洞から内側の孔を通じて水が流れこむ。
なぜそんな手のこんだ造作をしたのか。
誰が考えても、現在のように、水盤に直接水を注げば済むことです。
亀井とその頭に水を注いでいたもう一つの石槽つまり影向井、その全体の幾何学的構造から、この導水装置は、東の空を映し礼拝する、水鏡であった。
つまり、水面が波立たないようにするための、特殊な工夫であろう。
このような装置は、亀井水と、2000年元旦に発見された飛鳥酒船石遺跡の亀型水盤の、2例が知られているだけです。
17世紀に画かれた、影向井と亀井。影向井から亀井の頭に水が注がれる様子を描いた。