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道行てんのじまいり・戯歌
#道行きてんのじ詣り
てんのじの駅を下りたらアベチカへ
端まで歩いて階段を
登って渡る青信号
車飛び交う谷町筋
堀越神社は四天王寺の摂社にして
祭るは崇峻とその家族
蜂子皇子は聖徳太子の友人で
気は優しくも醜男で
都を棄ててエミシの国へ
出羽三山の修験の道を
切り開きたる修験の祖
役の行者もこうべをたれる御開山
崇峻や蜂子の鎮座する
四天王寺の裏鬼門
亀井の水の反対角に
玄武を祭る祠には
星の神なるチンタク様
チンチンの神とネットでフェィク
鎮宅霊符尊神と申します
星のさだめをつかさどる
宇宙の起源とみなすべし
北斗七星は玄武のすがた
亀井水の対の方位にいまします
なにかわからぬカエル石
水を注いで黒光り
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すこし歩めば一心寺
線香にけぶる骨仏
我がちちははにてを合わす
本田出雲守の五輪塔
酒呑みすぎて討ち死にす
酒の恐さを伝えよと
浄土でひらく断酒会
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露地に迷えばその奥に
真田勇士が討ち滅ぶ
天神山の社なり
貧乏長屋のチョンガアが
助けた狐の深情け
嫁に押し掛け子をなすも
尻尾を見られて身を隠す
会いたくば訪ね来てみよ摂津なる
天神山の裏見葛の葉
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狐と別れ逢坂を
のぼれば石の鳥居たつ
四天王寺へやっと着く
ポンポン石に耳をあて
歴史のかなたの音を聞く
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仏法最初の官立寺院
学者は認めぬ愚かさや
時代の証しの亀井水
亀形水盤が見えぬのか
絶えざる鐘の音黄色調
祇園精舎の鐘と聞く
亀の池じゃないよ
亀井水だょ
経木に注ぐ水きよらかに
亀井の背に浮くお経木の
浄土へまいるともがらに
聖徳太子ぞありがたし
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