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バラモンの神々と日本仏教。バラモン的尊大さは、この日本でも官僚主義や学問派閥として、しっかり再現されている。


インドラ
ヴァルナ
アグリ


バラモン教の神で仏教に採り入れられた神、たとえば、インドラ=帝釈天、ヴァルナ=水天、アグリ=火天。

ヴァルナは元は幅広い性格の根元神であり、ゾロアスター教のアフラ-マズダと同一神とされる。さらに、光の神アフラ-マズダは、阿弥陀如来へと変化していったのではないか、といわれる。水の神は光の神ともなる。

水、光、の総合となると、聖徳太子が、亀井水で表現した世界でもある。

ヴァルナは、亀、あるいはマカラという象の鼻をもつ怪物に乗っている。

聖徳太子が古代インド世界の神々に精通していたかは疑問だが、水と光が根元的な存在であることは普遍的直観といえる。


明治に、西洋の仏教学から教えられるまで、日本人が知らなかった、初期仏典、スッタニパータ、ダンマパダ、などでは、バラモンは知的階級として敬意をもって語られる。ただし、仏陀は、真のバラモンとは何かと、常に問いかける。

仏教の教えとして語られることがある、輪廻転生、宇宙と自我の合一、という思想は、バラモン教の根本思想である。

それをそのまま、仏教の思想と考えてはならない。バラモン教から、仏教が区別されるゆえんは、その古い思想からの脱却である。

民俗信仰として根をはった輪廻転生を、仏陀は直接否定はしないが、私は輪廻転生しない、と断言する。

輪廻転生は、断じて仏教ではない。

バラモン教の覚りである、宇宙との合一という境地も、仏教の悟りではない。

仏陀は、形而上的バラモンの観念に対して、判断停止を命じる。目の前の苦しみを、ごまかさずに、ちゃんと見よと。

生半可な古代バラモンの模倣は、きらびやかではあっても目眩ましにすぎない、カルト宗教を生み出した。

バラモン的尊大さは、この日本でも官僚主義や学問派閥として、しっかり再現されている。

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