雨の日の花粉症 1 松江一彦 /国際中医講師 2021年2月23日 16:32 薬学部でアレルギー性鼻炎に小青竜湯と講義をしているのを聞いて愕然としました。単位は取れても実地では役にたたないね。中医学は病機から治し方、それに対応する処方を決めていきます。くしゃみ、鼻水でも身体の中で起こっている病機が異なれば処方も異なります。春は気が動き出すので気流が起こり風になります。風は上に巻き上げていくので頭や顔に病変が起こります。また風は吹いたりやんだり、症状も出たり止まったりします。肺が冷えると水の代謝が悪くなり鼻の穴という肺の通気孔から水が垂れます。外から風寒邪が鼻腔から肺に流れ込み、肺はそれを追い出そうとしてくしゃみをします。同時に肺の水が飛び散ります。中医学では外からくる病気の因素を外邪と言いました。これは目には見えません。現代医学で言う細菌やウイルス、温度差、湿度、ハウスダスト、化学物質が外邪に当たります。外邪には6種類ありますがそれぞれ性質があります。風と寒の性質を合わせれば、顔の病変で、症状が出たりやんだり、身体が冷える。という病変になります。邪気が一番最初に触れるのは皮膚や、鼻、口を経由して肺です。肺の気(抵抗力)が強ければ邪気は侵入できません。肺の気が弱ければ邪気は侵入して花粉症の発作がおこります。こうしたメカニズを考えると風寒邪を去らせ肺気を補う「扶正去邪」の処方を使います。それが玉屏風散(ぎょくべいふうさん)です。もともとはカゼを引きやすい人に使っていました。中国では肺気虚弱の過敏性鼻炎に玉屏風散をよく使います。小青竜湯は使いません。この処方では扶正ができないからです。夏は汗をかいて気が消耗して身体は虚になります。春は鼻水で気が消耗して身体は虚になります。虚した身体には扶正が必要です。いろいろな花粉症の病機をまとめてみました。 #花粉症 #漢方 #中医学 #小青竜湯 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート