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お客さんがスタッフに会いたくてお店に来るのって、すごくないですか? 「#好きだから宣伝したい」Day3開催レポート
本日で3日目を迎えた「#好きだから宣伝したい ~インフルエンサーマーケティングを変えよう~」。
30以上のブランドを抱えるアダストリアのマーケティング本部 本部長である田中さまをお迎えしお送りした、以下のプログラムの速報レポートです。
▼Day4と5を残すのみ! お申し込みはイベント終了まで受付中です。
スタッフのコンテンツとECがつながるしくみ
アダストリアは LOWRYS FARM や niko and ... など30種以上のブランドを抱えるアパレル企業。自社ECである .st(ドットエスティ)では、スタッフが前面に押し出されたコンテンツが目立ちます。
.st(ドットエスティ)の中では、「STAFF BOARD」というスタッフが着こなしを公開しているコンテンツが存在しています。こちらには2,000人のスタッフが参加しており、すでに累計投稿数は20万件以上。
また、.st CHANNELではスタッフのInstagramアカウントがサイト上に紐付けられています。逆に、スタッフのInstagramアカウントにも、ECサイトへの導線を用意。その導線からSTAFF BOARD内のスタッフ個人ページへ遷移することができます。
Instagramアカウントに貼られたSTAFF BOARDへのURLには、パラメータが付与されており、ECサイト遷移後のコンバージョンを計測できるようになっています。つまり、スタッフ個人が自身のSNSアカウントから、ECで発生させたコンバージョン(売上)を計測しているということ。
アダストリアでは、ECサイトは売上を作る場所ではなく、重要な「顧客接点」の1つとして考えているそう。私が印象期だったのが「EC・リアル両方利用していただくお客様を増やす」という田中さんの言葉でした。
小売店での売上が中心のメーカーでは、小売店の売上を"奪ってしまう"ように見られがちな直営EC。営業部署とEC担当部署の仲は悪いという話を聞いたことがあります。アパレルでも、EC担当と店舗担当が喧嘩してしまいそうですが、アダストリアはそうではないようです。
これは私の想像ですが、アダストリアは「お客様にとってはどっちで買おうが関係がない」という社内の共通認識が出来上がっているように感じます。
後述しますが、この「お客様にとって」というキーワードが、本日もっとも重要なポイントでした。
お客様のことを考えると、スタッフであることは必然だった
STAFF BOARDの原型は2010年からスタートしていますが、本格的にドライブし始めたのは2018年。
現在は2,000人を抱えるスタッフボードも、始まりは100名程度からだったそうです。重要視していたのは以下のポイント。
▼めっちゃ大事
— 原🌘 (@shibuya_sumitai) October 16, 2020
・スタッフボードは100人からはじめた
・最初はこの子がいいというのをきっちり選定
・スタイリングはあるから個人の思想とブランドの親和性を大切にした
・自発性を大事にした
#好きだから宣伝したい
「お客様のことを考えると」やりたくないスタッフが活動していても、それはどうしても伝わってしまい、よくない。
参加スタッフの自発性は大事にしながら、参加スタッフが増えていくと「私もやってみたい」というスタッフがまた増えていくという循環が生まれたそうです。
アダストリアもその状態を積極的に支援しています。
受けるコーデの撮り方のノウハウは本部からきちんとレクチャーしている。
— おおたゆみこ | Good Tide (@yumyumiyum29) October 16, 2020
商品のデティールを伝えるECと、ブランドの雰囲気を伝える画像でどう違うのかなど細かくフィードバックしている。
それにスタッフが応えて、本部が次のフィードバックして、みんなでつくっている。#DAY3#好きだから宣伝したい
明確なマニュアルがあるわけではなくても、メンバーが事例をもとにレクチャーしあっている。
— トライバルメディアハウス (@Tribal_News) October 16, 2020
今回コロナがきっかけで、オンラインでの勉強会も増えた。一回あたり、スタッフが200人くらい参加している。#好きだから宣伝したい
人気のスタッフのアカウントを見ると、非常に高いクリエイティブ力で投稿していることが伺えます。
↑「もはやメディアですよね」と田中さん。
また、先述のとおりスタッフ個人のSNSアカウントからのコンバージョンを計測してますが、それ(売上)だけでスタッフを評価していないこともポイントです。
「やらせる」のではなく、「やりたい」という人がのびのびと自己実現できる場を目指している。そういう意識でないと、「数字だけ」を目指してしまうと思う。
— トライバルメディアハウス (@Tribal_News) October 16, 2020
お互い発見しあい、勉強しながらよりよい発信をしていくことで、一番うまくいくのでは。#好きだから宣伝したい pic.twitter.com/zpism29ib4
個人のインスタアカウント→スタッフボード→EC上でそのまま購入という動線をつくっている。
— 亀井 大樹◆BtoBマーケティング担当 (@kame1da1k1) October 16, 2020
また、個人のインスタから来たという計測もしっかりトラッキング。アダストリアの場合は、フォロワー数や売上などの評価やブランドの大きさの変数などを考慮して評価。
#好きだから宣伝したい
どうしてここまで「スタッフを活かすこと」に力を入れられるのでしょうか。それは、ここでも「お客様にとってどうなのか」という考え方が存在していました。
アパレルでお客さま視点に立つと「手に取って直接見たい」
— 中村駿太@SaaSエンタープライズセールス (@shunta0009) October 16, 2020
という意見が出るのは当たり前です。アダストリア田中さん自身も
同じ意見でした。だから、SNSに写真を並べるだけでなくSNSを動的に活用。お客さま視点で行動に移した結果が今に繋がっていると思います。#好きだから宣伝したい
アダストリアの中でも、スタッフの顧客目線による試行錯誤はもともと多くあったそうです。アダストリアのこれらの施策は、スタッフをインフルエンサーにしようという起点からスタートしてません。ブランドが好きで、お客さんに向き合っているのがスタッフだから、どうやったらお客さんとスタッフの接点を広げられるかという点が起点になっていることが特徴的です。
フォロワーは大事だけど、フォロワーがすべてじゃない
情報発信したときにリーチできる範囲を"ストック"するために、フォロワー数を重要視していると田中さん。
しかし、スタッフに関してはフォロワー数だけでは判断しない。
その裏には以下のような考えがありました。
Q. フォロワーが少ないスタッフをどう育てるべき?
— トライバルメディアハウス (@Tribal_News) October 16, 2020
たとえいまリーチ力がなくても、「すごく好き」な人であれば、その人が影響力を持ったとき一気に人が惹きつけられると思っている。
スタッフが属する各トライブ(興味関心軸)のなかで影響を与えてくれる。#好きだから宣伝したい pic.twitter.com/12pCZaXVIk
フォロワー数だけでスタッフを評価してしまうと、参加するスタッフが増えたとしても、その中で多くのフォロワーを得られる人はほんの一握りです。
そうではなく、スタッフがファッションが好きなのは前提としつつも、さまざまなトライブ(=興味関心によるつながり)の中で影響力を与えられる存在になればよいと考えているそうです。
フォロワー数が少なくとも、ある分野の中ではかなりの影響力を持っているスタッフも現れていくはず。そういったスタッフが増えれば、「ファッション好き」だけでなく、他の「◯◯好き」にもアダストリアのスタッフの影響力が及んでいき、結果顧客接点を増やすことにつながります。
「お客様にとってよいことか?」
田中さんの話の節々には、徹底した顧客接点で考える姿勢が現れていました。
また、それは田中さんだけに限らず、アダストリアの店頭や本部のスタッフにも広がっているように思います。
スタッフさんからのLIVE配信や発信などコロナで加速したが、半分はトップダウンだが半分はボトムアップで進んだとのことで。
— 久保 ゆうすけ (@shabuface) October 16, 2020
そういうメンバーの自律性が育まれるベースが築かれていることがそもそも強い。企業のバリューの源泉はやはりカルチャーや。#好きだから宣伝したい
店舗スタッフの投稿クオリティ高すぎて「こんなのうちではできない」となるか、「スタッフがこういう投稿をしたくなるためにはどんな仕組みが考えられるか」という発想ができるかで全然変わってきそうですね。
— 髙橋 遼 (@ryo_tak) October 16, 2020
#好きだから宣伝したい
ー
まとめますが、今回のテーマであった「社員が最高のインフルエンサーである理由」を、私は以下のように考えました。
・スタッフは顧客と一番接している
・だから顧客を一番理解している
・顧客と会話する中でブランドの魅せ方をもっとも理解し、ブランドを愛している
・だから、スタッフは圧倒的に優秀で、お客さまを惹きつけられるコンテンツメーカーになれる
もちろんコンテンツ力だけでなく、人柄、センスなどでお客さんを惹きつけられるポテンシャルを持っています。
田中さんが「すごいスタッフ」の「すごいと思う点」を尋ねられたとき、以下のように答えたのが印象的でした。
この一言に、すべての答えが詰まっているように思います。
「お客さんが、スタッフに会いたくてお店に来ることがすごくないですか?」
ー
次週20日(火)は、DeNAの坊さんと川口さんをお迎えし「ファン×インフルエンサーの可能性 熱狂を加速する変革への道筋」という内容でお送りします。
逆転オセロニアはコミュニティを重視して成長を続けており、また多くのユーチューバータイアップを行ってきたDeNAは「ファンであるインフルエンサー」について大きな可能性を感じているそう。ぜひご参加ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
▼最終日まで申し込み受付中!
Day1とDay2のレポートはこちら。
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