熱狂から得られる効果の定量化を、あきらめない。「#好きだから宣伝したい」Day4開催レポート
オンライントークイベント「#好きだから宣伝したい ~インフルエンサーマーケティングを変えよう~」も4日目を迎えました。
本日のプログラムではDeNAの坊さん・川口さんをお迎えし、スマートフォン用ゲーム「逆転オセロニア」(以下、オセロニア)のコミュニティやインフルエンサーへの考え方についてお聞きしました。
逆転オセロニアとは?
オセロニアはDeNAのオリジナルタイトル。
プレイするユーザーは「オセロニアン」と呼ばれています。本ゲームのプロデューサーであり“けいじぇい”の名称で親しまれている香城さんのコミュニティに関する講演の記事も参考になるのでぜひご覧ください。
とにかくオセロニアンと出会い、会話する日々
大掛かりなファンイベントもあれば、数十人しかいないような(リリース当初は参加者が数名だったことも!)場所でも、直接赴いて会話してきたと川口さん。
最終的に目指しているのは、オセロニアンの人たちが、オセロニアについて自発的に発信したくなる状態をつくること。
数人のファンに会うために全国を行脚することは、コストで見ると非常に高くなります。
また、「ファンに会うこと」は非常に効果を定量化しづらい施策。なぜやるべきなのかの社内説得のハードルが高くなってしまうことも多いです。
しかし、オセロニアについては、事業責任者の方の思想やマインドが、「ファンに会うこと」の優先度と重要度が高いと考えていらっしゃるようです。ソーシャルゲームという性質上、買い切りのゲームとは異なり、「どれだけ長く楽しんでもらえるか」が重要です。
オセロニアは、タイトルを末永く愛してもらうためにオセロニアンを第一に運用するという思想があるとのことでした。
やるべきだからやるだけじゃない。常に定量化へチャレンジ
ファンと会い続けることの費用対効果の可視化は確かに難しいですが。DeNAは非常にロジカルに考える気風があるそう。
DeNAでは、ソーシャルメディア上のクチコミなど、モメンタム(盛り上がり)を定量化指標にするといった取り組みをされています。
また、イベントに参加した方々のKPIの変化を追っています。決してコミュニケーションコストを度外視しているわけではありません。
無から発生したオーガニックなんて存在しない
新規タイトルやサービスがリリースされた際、クチコミをきっかけにした多くのオーガニック流入が発生しているそうです。
トライバルの池田さんと、坊さんが一致していた意見は「純粋なオーガニックは存在しない」。クチコミも含め、なにかのマーケティング施策が巡り巡って、訪問ユーザーの刺激につながっているはず。
DeNAでは、このオーガニックが生まれるきっかけを分析しています。
また、クチコミに起因してオーガニックが生まれる循環を「真実の瞬間」という考え方を用いて解説したこちらのnoteも参考になります。
誰かのクチコミが誰かに届くことで、それが新しいユーザーを招くサイクルを生み出す。しかし、その誰かを動かすクチコミは熱量の伴ったものでないと、生活者に響かなくなりつつあるということを感じていると坊さん。
「それステマじゃないのか?」という声も増えており、熱量の伴っているクチコミなのか(心から思っている言葉なのか)生活者はすでに見抜いています。
コミュニティメンバーが与えてくれる影響力
Day1のDINETTEさんの会でも触れられていましたが、長い時間をかけてコミュニケーションを重ねたファンは、さまざまな観点で影響を与えてくれる存在です。
たとえば大掛かりなプロモーションを行ったとき、二次拡散などその効果にレバレッジをかけてくれるということも1つ。
ゲームのような、「奥深さ」や「楽しいところ」が短いコミュニケーションだと伝えづらい(ハマってみないとわからない)ものだと、熱量のあるユーザーが作ってくれたコンテンツが、新規ユーザーを後押ししてくれることも多いそうです。
また、コミュニティそのものにも良い影響を与えています。
リアルでのコミュニケーションを重ねてきたことが大きいのではないか、と川口さんはおっしゃっていました
決めつけないこと、裏切らないこと、そして諦めないこと
最後に、コミュニティやインフルエンサーマーケティングに取り組む上で大事なことを尋ねられた坊さん・川口さんの言葉が非常に印象的だったのでご紹介します。
ロジカルなメンバーの集うDeNAならではのお言葉だなと感じました。確かにファンマーケティングやコミュニティマーケティングの効果測定は非常に複雑です。
そんな中でも諦めずに「どうやったら見られる(分かる)のか?」という目を持ち、トライし続けることが大切という、マーケターとしても非常に大切な心構えを教えていただきました。
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とうとう21日(水)は最終日です。
アンバサダーマーケティングの成功企業として注目される、ワークマンの林さんをお迎えします。
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