中国法人を設立しました。株式会社サンゾウ
その道を選んだら、何かがあるかもしれない。何もないかもしれない。
そんな不明確なチャレンジに、僕はずっとワクワクしヒリヒリしてきた。
100%ワクワクできるようなほど、楽観的な性格ではなく、90%はヒリヒリする。それでも、その先にある答えを知りたくて、どのような景色が見えるのか、どのような自分になれるのか、なってしまうのか…とチャレンジを続けている。
そして、今回また新たなチャレンジとして、株式会社サンゾウの中国法人を設立した。
そこにあるのは、幻想か理想か。
27歳の時に、上海へ移住した。刺激的な街で、刺激的な日々を過ごした。約3年間を過ごした上海も、最終的には、ホテルにも泊まれず知り合いにも頼れずホームレスとして1ヶ月過ごした。そして個人として上海を撤退した。
日本に戻る飛行機を待つ浦東空港で、電話をした。相手は、僕が上海に移住するきっかけとなった大学の先輩。先輩は言う。また日本でチカラをつけて帰って来れば良いよ。不本意な帰国。残る現金は2万円。当時の僕には、一度体制を整えるしか選択肢はなかった。僕は泣いていた。その時、絶対にまた上海で挑戦しようと誓った。
台湾に住んでいた前職のCAPSULE時代。台湾で挑戦しながらも、本当に有難い話で、法人として、上海に挑戦する機会が生まれた。上海法人を作ることができて、チームメンバーの活躍のおかげで、上海単体でも僕の想像を超える結果を残せた。何よりも個人として、上海に挑戦したストーリーの続きを、今度は経営者として仲間とともにまた歩ませてもらってる感覚だった。
2年ぐらい経って、上海で行っていた事業のトレンドがシュリンク傾向にあり、組織としてはリソースを伸びている台湾へ注力していった。経営者としては、間違ってない決断なのだと思うけど、上海単体で考えた時にはもう少し挑戦してみたい気持ちは正直あった。
上海で、個人として挑戦。さらには法人として挑戦。そして、今回は、自分の法人として挑戦する。
コロナ明けに2度、1ヶ月以上渡航した。今の中国の情勢は、思考レベルでも肌感覚でも理解している。決して景気が良いとは言えない。むやみやたらにお金をどんどん使う時代ではないし、益々実店舗で買い物する時代でも無くなっている。また、言うまでもなく文化大革命的な面もある。それでも法人を作った。勝算があるというよりも、そこに僕の好奇心があるから。いつもと同じように、中国で法人を作ったら、どのようなストーリーが待っているのかという好奇心が、僕を行動させたのだろう。
志高い皆んなが集まる企業
法人名は、愚行者营销策划有限公司(上海)。表記名はSanzo。普段書いたり言ったりする時には、サンゾウチャイナ。
なぜこの会社名にしたのか。大前提として中国では、法人名を決める時に、会社名+事業内容+所在地という構成で決める必要がある。日本のサンゾウみたいな単語のみで法人名は決められない。ただし表記はSanzoみたいにしてもok。つまり法人名は、正式な領収書や展示会だったりの時ぐらいしかお目にかからないともいえる。ただもちろんしっかりと考えた。
愚行者とは
結論、志高い皆んなが集まる企業という意味だと思ってもらえれば良い。
詳細を記載すると、まず行者の部分。仏道を修行する人という意味があり、つまりサンゾウでいえば、ビジネスで邁進する人に当てはまる。西遊記の悟空たちも旅を終えた後に悟空行者みたいに位を授けられている。三蔵と行者。パーパスであるアナタをハッピーに。そしてみんなでセカイに変化を。の、みんなを指している。ちなみに個人的な宗教は関係ない。僕は一般的な日本人の宗教観と同じだ。
では、愚は何か。中国には愚公移山という言葉がある。
この言葉が、まさにやりたいからやろうだし、人のためを考えているし、みんなでチカラを合わせてセカイを変化させた話。この話から、中国人は愚という言葉を見た時に、日本的な愚か者とは思わないらしいことも良い。
一方で日本的な愚か者のニュアンスも好き。ジョブスがいうようにStay hungry. Stay foolishは、挑戦する時や理想を追い求める時には大切だと思う。ただ賢い人は、そもそも伸るか反るかのような挑戦はしない。もっと器用に生きる人が多いだろう。結果的に社会的なインパクトを作ることには、あまり向いていない。だからこそ愚かさも重要だと思う。だから、直接的な日本のイメージである愚かとして捉えても面白いから尚更アリだと思った。
そもそものサンゾウという社名
一応補足として、サンゾウという社名についても改めて記載しておこう。結論、玄奘三蔵の世界観をもとに名づけている。
自らの知的好奇心を追求してインドへ。修行して登りつめて法典を持ち帰る。その法典を皆んなで翻訳していく。それがさらに日本にも広がっていった。武将でも無いのに有名な玄奘。
この世界観が自分のキャリアや気質とも重なるし、憧れる。僕自身、海外に飛び込んで、地元に戻り、また皆んなで何かをやっていきたいと思ったいる。パーパスも、アナタをハッピーに。そしてみんなでセカイに変化を。でもある。僕は、自分が死ぬまでに、どこまでいけるのかに関心があるし、ひとりでも意味がないと思っている。何よりも自分以上に仲間の成長や活躍を意識するタイプ。
後付けではなく自分の気質などにぴったり当てはまるのが、サンゾウという社名だし、このパーパスだったし、愚行者だったのだ。今思うと最初から存在していたように自然な感覚であり、お気に入りの名前だ。
三蔵のその先へ。
ここまで読んで、漢字で三蔵じゃないの?と思ってる方もいるのではないでしょうか。三蔵はNGだった。おそらく三蔵という言葉が付いた社名はすでにいくつもあるのが理由。
社名決めから中国らしく手こずった。3つほど提出して、その中で優先順位が高い順に問題ないものが決定されるのだけれど、2回ダメだった。提出したものだけでも9つ考えた…w
ただ結果的には思考は深まったし、本当に良い名前になった。三蔵法師の三蔵、音を優先してサンゾウに近しい三舟、三蔵に言葉をくっつけた三藏人人や三藏行者、森羅万象や三蔵法師の書物の名前など変わり種もたくさん考えた結果である。
攻撃は最大の防御なり
さてさて、結局何をするの?という質問が飛んでくる頃でしょうか。
3年前に新潟で創業した時も何度もされた質問だ。あえて言わせてもらう
「そんなの知らねーよ!」と。ニーズを探りながら、サンゾウでお役に立てることをやっていく。自社プロダクトも考えて育てていく。
なぜなら、現状のサンゾウは、出資してもらって拡大を狙うスタートアップではない。臨機応変に変化していく、ベンチャー企業だ。もっといえば、独資のスモールビジネス企業であり、零細企業だ。
個人的な考え方として、天才的なアイディアでない限り、ピポットしていけるほうが生存確率は上がるものだと思ってる。同じサービスを深めるにしても、決めすぎていない方が、前進することで課題が生まれ、その課題を解決してまた次の課題が生まれるもの。そうやってサービスは昇華していくものだと僕は考えている。そして何よりも僕自身の気質的に、プランだったりを考えすぎることで進まなくなるタイプなので、やれることからやっていこうというスタンスがあっている。このスタンスの結果として、極端な言い方かもしれないが、まずは法人を作った。
つまり、何をするか決めていない。ニーズがあることで、サンゾウが役に立てることがあれば、積極的にやっていく。絶賛お仕事募集中です。中華圏のお仕事があるよという方は多くはないと思いますが、海外担当のプレイヤーが不足してるとか、アドバイス欲しいとか、翻訳して欲しいとか企画立案して欲しいとか、ぜーひお仕事をください!…w
おあとがよろしいようで。3月3日が創業記念日になるので、別途全体的なnoteも書けたらと思ってます。続きはそちらで。
株式会社サンゾウに1mmでも興味をもってくれた皆様、ご連絡待ってます。
つまらない営業メールはスルーするけど、サンゾウに興味をもってくれた企業や人がいたならば、ご連絡くれたら非常に嬉しいです。中華関連でも、web3.0関連でも、新潟関連でも。パーパス通り、「アナタをハッピーに。そしてみんなでセカイに変化を。」を軸に動いており、損得だけで判断しない。むしろクライアントでも、メンバーでも仲間を探している。こんなこと書くと偉そうに聞こえるのかな……仕事ください(土下座)…
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亀貝 康明(KAMEGAI YASUAKI)
株式会社サンゾウ 代表取締役
新潟で株式会社サンゾウを創業して、地方発ベンチャー企業として日々拡大中。元CAPSULE Inc.取締役。上海、台湾在住歴あり。中華圏やアジアを中心とした海外生活や海外ビジネスに関しても発信中。Twitter→https://twitter.com/kamegai_sanzo