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紅凪
2021年1月26日 22:37
代筆屋、女たちにとって代筆屋の屋台は立て付けの悪い告解室のようなものだ、などと揶揄されるそれは、しかし私にとっては天職であった。人の感情を文字に起こすことのなんと難しく、なんと楽しいことか。 私の才能はまさに、この仕事にうってつけであった。 代筆屋の客は文字の読み書きができない人たちだ。もちろん自らの感情を、意志を、願いを、完全に言葉にすることなどできない。しかし私の才能は、それらを完璧に汲