周縁を行く

宮沢章夫さんが亡くなった。
氏の著作から滲み出る知性と世の中を少し斜めから眺める立ち姿に憧れに近いものを感じていたと思う。こういうおじさんになりたいと臆面なく思える数少ない先輩だっただけにとても残念だ。

訃報に触れた後、久方ぶりに宮沢章夫さんが出演されていた名作番組「日本サブカルチャー史」を思い出し視聴した。番組は文字通りサブカルチャーとはなんぞやについてを宮沢氏の解説と共に紐解く趣旨のものなのだが、改めて見返し妙に引っかかるキーワードがあった。それは石原慎太郎が三島由紀夫に言われた「まれびと」についてを宮沢章夫さんの言葉で解説したもので、サブカルチャーを作り世界を面白くしてきたのはいつの時代も中心からずれた場所にフラリとやってきた「周縁を行くストレンジャー」であるのだ、と。

長く会社に所属するディレクターであったがこの度フリーランスとしてまだ歩いたことの無いところへ向かおうと思っている。そんなタイミングだったからか、宮沢氏の言葉にポンと背中を押されたような気持ちになった。
沢山の宝物のような言葉をありがとうございました。

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