南極料理人を目指し始めました。
今、南極熱が高まっている。
南極熱とは、南極に行きたい!観測隊として南極で越冬したい!という意欲のことである。
映画『南極料理人』を観てから、南極に行くことがいつかの夢になっていた。
あそこで過ごしてみたい。あそこでしか見られない景色が見てみたい。みんなが行ったことのないところへ行ってみたい。
明確な理由なんかなかったけど、「南極って面白そうだな」と思った。
その後の私はゆるーく南極を愛し続けていた。
「いつかは南極行きたいんだよね〜」と公言するようにきていたし、本屋で南極の文字を探したりもした。
偶然見つけた南極の旅行ブックは買ってみた。
3パターンくらいの行程が掲載されていて、お金と時間さえあれば、簡単に南極に行けることがわかった。
でも、私が行きたい南極はそんなトラベルなものではなかった。
老後に蓄えた資金で行ってもいいんだけど、それじゃなんかつまらない。
私は、観測隊の一員として行きたい。
南極観測のプロジェクトに関わる人材として、南極を目指したい。
そういう思いに最近、気がついた。
観光で訪れるような1週間では、
南極のすごさはきっと分からない。
1年以上を過ごしてみて、
過酷さも美しさもすべてをこの目で見た上で、
南極の魅力を語れる人になりたい。
今ではそんな志を持っている。
じゃあ、なぜ南極なのか。
私がそこまで南極にこだわる理由はなんなのか。
改めて考えてみると、その答えは
私が大好きな映画の『南極料理人』にあった。
というか、私は南極に関する多くの情報をこの映画から得ている。これしかデータベースがないと言ってもいいくらいだ。
私の南極観測隊を目指す上ので教科書は、映画『南極料理人』だ。
この映画の魅力は日常だ、と私は思っている。
たしかに生物はおろか、ウイルスさえ生きることのできない南極の果て、ドーム富士基地での生活は、私たちの日々の暮らしとは違った。
水は南極の氷を溶かさないと使うことができないし、持ち込める食材はほとんどは乾物や冷凍。
足りないものを買いに行けるスーパーはないから食べ切ってしまえば、それで終わり。
ガスで水を温めても沸騰しないので、インスタントラーメンはただ茹でると芯が残る。
そんな不便極まりない環境下で暮らしているのが、南極観測隊だ。
でも、堺雅人演じる南極料理人の姿は
やっぱり日常だった。
朝、朝ごはんの支度をして。
昼、昼ごはんの用意をする。
夜、夜ご飯の準備をして。
そして、みんなで食べる。
私たちがいつもしていること。
そんな日常的なことを、
南極という過酷な環境でもやっている人がいる。
しかも、とても楽しそうに。
これが、私が映画『南極料理人』を気に入っている理由かもしれない。
私もしてみたい。
私にもできそうな気がする。
やってみたい。
そういう好奇心を掻き立ててくれるのが、南極。
だから、
私は南極料理人を目指し始めることにした。
今は調理師免許ももっていない、
保育園の調理員だけど。
ここから始めるのも悪くない。
私は、私のやり方で南極料理人への道を進める。私だからできる方法で、南極を目指したい。
時間はかかるだろうけど。
そのうち、いつか。でも、必ず。
夢ではなく、通過点として
「南極料理人」を掲げて生きていく。