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改善とKaizenとImprovement

先日の眼科検診で、先生との会話がとても興味深かったので、お話ししますね。

先生は60代半ばの日系4世で、ハワイ生まれのハワイ育ち。オレゴン州の大学を卒業後、家業の眼科医院を手伝い始め、今では院長として活躍しています。日本と日本食、そして旅行が大好きで、最近は祖先を辿る旅にも出たそうですが、日本語は少し話せる程度。日系4世ともなると、日本は心のふるさとを感じつつも、言葉の壁は大きいようです。

そんな先生と私が「翻訳の仕事をしている」という話から、「翻訳の難しさ」について語り合うことに。言葉によっては、他の言語にうまく訳せない単語があるよね、という話で盛り上がりました。その中で先生が挙げたのが「Kaizen」でした。

Kaizenとは、第二次世界大戦後にトヨタが生み出した「改善」のこと。アメリカでも1980年代以降、ビジネス界で広まりましたが、なぜか「Kaizen」という日本語のまま使われているんです。私が「Improvement(改善)と同じ意味ですよね?」と聞いたところ、先生は「いや、違うんだ。Kaizenは『継続的な改善』を指しているんだよ。ぼくの子どもに『Kaizenが大切だよ』というんだけど、なかなかわかってくれないよ」と教えてくれました。

その瞬間、私の中で「Kaizen=Improvement」という思い込みが崩れ落ちました。Kaizenには、一度きりではなく、ずっと改善し続ける精神が含まれていたのです。

検査のために点眼した目薬で少しぼやけた視界の中、家に帰って早速調べたところ、

改善(良い状態に変えること)= Improvement
カイゼン(継続的な改善)= Kaizen

https://kaizen-base.com/column/31127/

という説明が一番しっくりきました。やっぱり言葉って奥が深いですね。

先生は、「生きがい」もまた英語で表現しにくい言葉だと言っていましたが、その話はまた別の機会にお話ししますね。

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