サッカー分析のすゝめ 1 "解決策"を提示する
最も伝えるべき情報は何か
同じ内容の教科書を使っていても、生徒の興味を惹く授業をする教師と、睡眠導入になり得るつまらない授業しかできない教師が存在するように、
サッカー分析も同様で、同じ事実でも、適切で効果的な伝え方をしなければ全く意味のない、つまらないものになる。
・話し方
・伝える順番・内容
・映像の分かりやすさと具体性
伝わる分析をするためには、様々な要素が必要であるが、
その中でも、必ず押さえておくべき要素というのは限られてくる。
しかし一方で、対戦相手のスカウティングにせよ、自チームの振り返りにせよ、
試合中に起こった現象やデータなどの”事実”をただ羅列してしまう、という状況に陥りがちである。
「相手はこうしてきますよ」
「自分たちの課題はこれですよ」
これではメッセージ性に欠けており、重要事項が伝わらない。
それでは、教科書の読み合わせだけのつまらない授業と同じである。
分析の内容云々ではなく、単純に「伝わらない」のだ。
確かにどれも必要な構成要素ではあるのだが、
結局これが最重要、という要素が一つある。
それは、「解決策の提示」である。
分析をプレゼンする対象は選手や監督・コーチであることがほとんどだが、
彼らにとっての「困りごと」は一体なんなのか?という視点を持ち、それを解決していくのが分析の役割である。
彼らは、対戦相手について無知である。
彼らは、自分たちのプレーや試合中の振る舞いついて無知である。
分析官は、選手や監督が知らないことを知っている(知らなければならない)。
分析官はその優位性を持ってして、「では、どうしていくべきなのか」という解決策を提示し、導いていくのが役割なのだ。
では、解決策をどうやって見つけていくのか?
どのように伝えればよいのか?
分析のプレゼンは、分析官としてチームに強い影響力を持つことができる、唯一の舞台といえる。
そこでチームに対してポジティブな影響を及ぼすためにも、
今回のテーマ「解決策の提示」をマスターしていこう。
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