『内省』の実業務への落とし込み
設計方針
まず、大きく2つの方針を考えた。初めての事なので導入の手軽さを取るか、振返りが迷子にならないようフォームを使って定型化するか、この2つ。ただ、それぞれデメリットもあるので悩んだ。
手軽に『紙』
メリット
学生分ノート1冊用意して交換日記風に運用すれば、導入コストを低くできる。デメリット
記録が不定型かつアナログ形式。
集計や分析しにくい。
振返り方に個人差やブレが生じる
フォームで定型化
メリット
デジタル形式かつ定型で記録できる。
集計や分析がしやすい。
振返り方に差が生じにくい。デメリット
フォームへの投稿データをどのように学生と教員で共有するか。
共有はなるべく自動化したい。が、方法が分からない。
ちなみにフォームの項目は、向後さん、石川さんの研究の『学習方法を振り返る』項目を利用。文末を疑問形に調整し作ってみた。
先輩に相談
『内省』に至るまでの経緯を先輩に説明し、実運営の中に取り入れたい事、それには大きく2つ方針がある事、を伝えた。フォームでの投稿でいきたいとの事だった。予想通り^^;
その中で「フォームへ投稿した内容をTeamsのチャットに送信できないか?」と提案があった。自分でも一度は考えたが。
『振返り』という個人的な内容の為、学生、教員の個人チャットである事
フォーム投稿をトリガーとして、その個人チャットに投稿内容を送信する
個人チャットを特定できる情報が必要
PowerAutomateで⒊が出来なかった記憶があり、一度は「出来ない」と言ってあきらめた。
…が、時間が経ってもう一度見てみると、経過した時の間に幾分か得た知識から、気づかなかった事に気づける様になってたり、分からなかった事がわかる様になってたり、そんな経験もあった気がしたもんだから、ダメ元で。
PowerAutomateで実装
チャットID見つける
PowerAutomateでTeams投稿するには『チャットを特定するID』が必要。
Formsのフォームにも、URL内にIDが存在する(Start#FormId=〜〜〜)。
Teamsの会議も確かURLがある。って事は、この中にも会議を特定する『ID』が存在するかも。会議もチャットできるから、会議を特定しそこにチャットできれば…。試しに会議作ってみてURLを見てみると…。
https://teams.microsoft.com/#/conversations/19:meeting_Mzg*****2Iy@thread.v2?ctx=chat
もう一つ別の会議を作って見ると。
https://teams.microsoft.com/_#/conversations/19:meeting_MmE*****GIz@thread.v2?ctx=chat
どうやらこの辺りが怪しい
conversations/19:meeting_Mzg*****2Iy@thread.v2?ctx=chat
conversations/19:meeting_MmE*****GIz@thread.v2?ctx=chat
何回かPowerAutomateに入力し試したところ、
19:meeting***********@thread.v2
の部分が会議IDだと判明。ちなみに、PowerAutomateでのアクションは「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」。
試しに、「メッセージ」欄にテキストを入力してPowerAutomateを動かしてみる。
フォーム投稿のトリガーと組み合わせる
手動で1度メッセを送ることはできた。次は、「フォーム投稿→チャット送信」を目指す。フォーム投稿のトリガーで取得できる情報は主に2つで、「投稿者のメールアドレス」と「投稿時間」。なので、大まかな流れは、
フォーム投稿
投稿者のメールアドレス取得
メールアドレスと会議IDの紐づけ照合
照合できたらその会議IDにチャット送信
となると、⒊のメールアドレスと会議IDが紐づけ整理された表データが必要。で、こんな感じで作成。
⒈~⒋を統合したPowerAutomateはこんな感じ。
フォーム投稿内容(設問に対する回答)も取得できるので、それらをチャット本文に設定。
試しに投稿。うりゃ‼
これで、定型化かつデジタル化された『学習方法の振り返り』が出来そう。まだ少し整備しないといけない事(会議の一括作成、振返りのリマインド)があるが、それはまた次回。