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ぼくは仕事をしたくない。だから、楽するための努力は怠らない

仕事しないで毎日1億入ってきたらしあわせでしょ?

 ぼくには「働きたくない」という気持ちがめっちゃ強くあります。

 なるべく働きたくない……それがずっと根底にあるのです。「働くことで不安を取り除いてる」という部分もありますが、「たくさん働きたい」とはまったく思いません。

 やっぱり人間、仕事しないのに毎日1億ずつ入ってきたらしあわせです。寝て、起きて、メシ食って……それだけで1億がもらえるなら、こんなにいいことはない。これは「やりがい」とかそういう議論ではなくて、基本的にそれが「しあわせ」じゃん、と。その次の段階で「やりがい」とか「自己表現したい」ということがあると思うのです。

 よく「お金がすべてじゃないです!」と言う人もいますが、「いや、でもさ」と思ってしまう(笑)。めちゃくちゃ重労働で月10万しかもらえないのと、何もしなくて1日1億もらえるんだったら、それ絶対後者がいいでしょ? と。「それ、認めなよ」という話なのです。

楽をするための努力を怠らない

 なので、ぼくは根本的には「どうやったら楽になるんだろう?」ということをつねに考えています。

 いちばんダメな発言は「俺が10人いたらいいのになあ」という発言です。その発想には何の生産性もない。

 そうではなくて「この作業がもっと短時間でできるようにならないかな」とひたすら考え続けることです。

 たとえば「エクセルに入力してひらすらコピペして……という一連の作業を、ボタンひとつで全部できないかな?」といったこと。このマスターをこういうふうに整理しておけば、ポチって押したら、勝手にピュピュピュってなれば超楽勝じゃん! みたいな。ぼくはそういう考え方。どこまでも楽をしたいのです。

 よってぼくは「楽をするための努力」は怠りません。これは社員にも言っています。「なるべく楽な方法をしなさい」と。

仕事を機械に奪われたら新しいことができる

 ただ、こういうことを言うと、イヤな顔をする社員も出てきます。

「自分の仕事が楽になっていく。1日かけてやっていた仕事が1時間になっていく」ということは「これまで自分たちがやっていたことが機械に奪われる」ということ。「じゃあ、私クビですか?」と思うのでしょう。「この仕事は、私じゃなきゃ、ぼくじゃなきゃいけないんです!」と主張したくなる気持ちはわからなくもない。

 人間というのは仕事で存在意義を求めたがるので、それ自体は否定しません。ただ、ぼくは別にそれが機械に代わったからといって、社員をクビにしたりしません。その人の存在意義がなくなるわけでもない。

 今やっている仕事を機械がやってくれるのなら、人間にしかできないことをやればいい。空いた時間で、さらに上のこと、次のことができるはずなんです。だからどんどん楽をするように、社員には言っているのです。

鉛筆転がして東洋大学に入る

 さて、ぼくはどれだけ「なまけもの」なのでしょうか?

「ヒルズにいるベンチャー社長」というと、仕事が大好きでキレキレのビジネスマンを思い浮かべるかもしれませんが、ぼくはまったくそんな人間ではありません。

 学生時代の話です。

 高校は「竹早高校」というおそらく偏差値68くらいの頭のいい学校に入りました。しかし、ほぼ勉強してなかったので出るときはアホになっていました。遊びまくっていたんです。

 ちなみにぼくは両親2人とも大学を中退しています。両親は「大学はやっぱり出ていたほうが就職しやすいんじゃないか」と言います。それでいちおう「大学には入っておこう」と思って、鉛筆転がしてたら、東洋大学に受かりました。

 でも結果、10日で行かなくなりました。

 いつ行けばいいのかわからないし、新歓コンパみたいなのもめんどくさいし、カリキュラムもいろいろあってよくわかんない。あとは、これはぼくが悪いだけなのですが、家から大学まで「乗り換え」が多くてさらにめんどくさいし、ということで、ほぼ大学は行かずにバイトばかりしていました。

 大学のときの生活はひどいもんです。

 昼ごろ「笑っていいとも」で起きて、日サロに行って、夜は適当にバイトして、夜も友だちと会って、カラオケ行って朝方帰る、みたいな毎日でした。

 もっと稼ごうと思ってバイト情報誌をめくっていると、いちばん最初に「光通信」の募集が目についたので「ここでいいか」と。そこから19歳で光通信に入って、最年少の役員まで行くわけですが。……そのあとまたニートみたいになって、結局またUUUMつくって、上場するーー。そんな感じです。

※このあたりの話はこちらのnote

 もうぼくほど「人生何があるかわからない」人もいないでしょう。

 だから、若い人に言っておきたいのは、なにも絶望することなんてないよってこと。ぼくだってダメダメだったけれど、こうやってちゃんと生きているのです。

「中退」のすすめ

 少し話はズレます。

 ぼくは今後、官僚になりたい人がすごく減っていくだろうなと思っています。このあいだ「将来の年金とは別に2000万円が必要です」という発表が話題になりましたが、それを担当した局長が退任せざるを得なくなりました。きちんと東大を出て、官僚になって、調査研究した上での発表だったのにやめることになってしまった。きっと悔しかっただろうと思います。

 かたやぼくは、大学中退です。それでもヒルズに会社を構えて仕事ができている。最近は「実は中退するのもいいんじゃないか」と思っているのです。

 ぼくは「就職することがダメ」とまでは思いません。かつては「就職は意味がない」と思っていて、大学3年生に向かって「何で就職するの? 自分で稼げるじゃん」という話をめっちゃ言っていました。

 しかしそのあと振り返ってみると、いきなり起業してしまったら社会人として最低限知っておくべきことを教えてもらえません。終身雇用でぬるま湯につかって生きるのはおかしいと思いますが、社会人経験を積むということはものすごくプラスだと思っているのです。

 いずれぼくみたいに起業するのもいいと思うし、クリエイターになってもい。個人でも生き残ることができる時代です。じゃあ、いま若い人は今後どういうステップをたどったらいいのか? そう考えたときに、ぼくは「大学4年間がムダだ」と思ったのです。

 ぼくが学生に講演することがあれば、こう言い放ちます。「学生中に勉強したことなんて、社会でまったく使わないからね!」と(笑)。

 いま卒業しようかどうか悩んでいるなら、中退もいいんじゃないかと思います。「卒業と中退なんて漢字2文字が違うだけなのに、それにすがります?」という話です。学生は「いや、どうせ入ったから4年で……」と言われるのですが。

まわりの友だちが初任給をもらうときに月50万円

 ぼくは19歳で会社に勤めて、初任給をもらいました。一方、同じ高校を卒業した人たちは大学を卒業して22歳とかで就職するわけです。でもぼくは22歳のとき、すでに月50万円くらいもらっていた。一方みんなはやっと初任給をもらうタイミングです。ぼくは社会人3年目を終わっている。

 こう考えると「大学にいることの意味って何なんだろうな?」と思ってしまうのです。ぼくは大学生活をそんなに楽しめなくてすぐ辞めたのですが、スティーブ・ジョブズもそうだし、マーク・ザッカーバーグもそうだし、ビルゲイツもそう。意外と大物も大学を中退しています。

 大切なのは「せっかく入ったからと言ってそこにずっといよう」ではなくて、その都度その選択肢の中で「ベストを選び続ける」ということです。そのことに最初から気づく人と、あとから気づく人、一生気づかない人がいて、その差はめちゃくちゃ大きいと思うのです。

「疑問を持つかどうか」で人生は変わる

「大学を卒業するか、中退するか」が大切なのではなく、つねにきちんと自分の頭で考えて決断することが大切なのです。どうやったら、そのときそのときに正しい選択できるか。それが鍵になってきます。

 人は一生に数えきれないほどの決断をします。

 朝起きて「二度寝するか、そのまま起きるか」「ヒゲを剃るか、剃らずにシャワーを浴びるか」「着ていく服の色は——」などと、いろんな選択肢を毎日無限に選んでいる。そのときに疑問を持つか持たないかというのがすごく大切です。一回一回立ち止まって、自分の頭で考えて決断する。ぼくはつねに疑問を持って、「なぜこれをやらなければいけないのか」を考えています。

 昔ビジネスをやっていなかったときは、まったく考えずにボーッと生きていました。でも今は、ショーや映画を観るとエンドロールで誰の名前があるかが気になったり、「これはどういう仕組みでこのシーンを撮影してるんだろう」とか、ものすごく気になります。

 毎日何の疑問を持たずに過ごしてはいけません。どんなときも疑問を持つこと。引っかかることが大切なのです。

話せるエピソードがいくつあるか

 また、さまざまな経験、圧倒的な経験をすることも大切です。以前のnoteで「30分1時間の面接では人を判断できない」と書きましたが、ひとつ言えることがあります。それはこういうことです。

 面接で「大学に4年間通って、普通に卒業しました」だと、エピソードはひとつです。何も引っかかりがありません。でも「大学を1年休学して、サハラ砂漠を横断して死にそうになりました」という人がいたら、ぼくはその人を採りたいのです。

 大人であっても「生きてきた中で、話せるエピソードを何個持ってるか」がぼくは重要だと思っています。それがまったくない人は、どんな1日を過ごしてるんだろう、と思ってしまいます。

 社会人になる前の学生は、エピソードなんて限りなく少ないでしょう。ぼくからすれば22歳なんて、みんなほぼ変わらないのです。「英語ができるか、パソコンが使えるか」くらいの違いで、ほぼ変わらない。だから、別にこだわりもない。「即戦力になる」と思うほうが間違いだ、くらいに思っています。

 ぼくはなまけもので、めんどくさがりなのですが、学生生活に疑問を持ってさっさと中退して、人とは違う道を歩んだことが今に生きているのです。

 明日は、そんな「なまけもの」のぼくがどんなことに気をつけながら、仕事・経営をしているかをお話しします。


編集協力:WORDS


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鎌田和樹
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