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『テセウスの船』

水曜日ですね、今日のマンガは『テセウスの船』です。

ドラマ化もされていましたよね。完結しているマンガなんですが、ぼくは最終巻を2回も読んでしまいました。

それぐらい良い話で、おすすめなんです。

あらすじ
1989年6月24日、北海道・音臼小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官・佐野文吾。その息子・田村心は冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に閉じ込められ、気が付くと1989年1月にタイムスリップしていた。「殺人犯の息子」が真実を求め、辿る、哀切のクライムサスペンス。
モーニング公式サイトより引用)

読んだきっかけ

noteにも何度か書いている気がしますがぼくの性格上、すごく流行ってるものをなんとなく避けたくなったりします。人に勧められるとむしろ嫌になることもあるんです(笑)。

例えば、「君の名は」を観たのも「天気の子」のあとでした。それも全く関係のないタイミングです。シンガポールへ向かうフライト中に"今なら観れるかも"と思ったんですね。

『テセウスの船』はもともとマンガも買っていましたし、ドラマのことも知っていたけど見てはいませんでした。そこから、このタイミングだったら自分のメンタルがいい状態でみれる「絶対に誰も話題にしてない」という条件が整ったので、読むことができたんです。

タイムスリップ

『テセウスの船』を読んでまず最初に思ったのは、「あれ、この展開どこかで見ているな」と。あ、「僕だけがいない街」だと思いました。「東京卍リベンジャーズ」も近いかもしれないです。

さすがに、この感想は失礼すぎるかなと思ったので書くか迷ったんですが、主人公がタイムスリップするという共通項があると思います。

ただ、マンガとしての面白さはそれぞれ違うので、ぜひ全作品読んでほしいところです。

テセウスの船とは

そもそも「テセウスの船」というのは...というコマがありますが、本当はどっちなんでしょう?

「テセウスの船」とは一パラドックスのひとつである。
その昔クレタ島から帰還した英雄・テセウスの船を後世に残すため修復作業が行われた。古くなって朽ちた部品を徐々に新しい部品に交換していくうちに当初の部品は全てなくなった。ここで矛盾が生じる…この船は最初の船と同じといえるのか?

ぼくはこのマンガを読んで、「テセウスの船」とは単純に船のことを指しているのではなく、過去・歴史、その人の人生のことを示していると思いました。

『テセウスの船』が問いかけているのは「何度も何度も過去に戻って人生を変えたとしても、それでもその人の人生と言えるものか」ということかなと。

例えば、法隆寺に代表されるような歴史的建造物もそうですよね。全焼したあとに再建されたものにも、文化遺産として同等の価値があるのか。

もともとあった法隆寺、燃えてしまった法隆寺、そして新しくできた法隆寺、この過程を知ることができれば、ぼくは文化遺産としても価値があるんじゃないかなと思います。

でも、それを覚えている人がいなくなったら、素材が別だとしたら、どうなんだ、、、とそんなことを考えてしまいました。

話を戻すと、「テセウスの船」というパラドックスから、主人公が殺人犯の息子という設定に落とし込まれているところがすごいですよね。

本当にお父さんが人を殺したのかどうか、主人公はタイムスリップを通して検証していきます。そして、事件を未然に防ごうとするんです。

こうしたら未来も変わるだろうと。
そんなタイムスリップのシーンを読みながら、ぼくは"誰にでもやり直したい過去ってあるよね"と思い返していました。

例えば

・高校1年のとき、野球の大会でピッチャーとして出場したとき、緊張もあってコントロールがゴミだったこと。

・UUUMという会社を作ってから、これまでのなかであの期間の自分の行動をもっとこうしたいとか。

正直、たくさんありますよ。でも、マンガはマンガなので、過去には戻れないんです。「それでも後悔しない、するな、どうせ戻れないなら先に進め」ということが伝えたかった作品なのかなと。そのあたりを、ぜひ読んで確かめてほしいです。

ぼくは10巻を2回読み直しました。
それぐらい良かった。

「僕だけがいない街」だと、主人公が何度もタイムスリップをして、病室で寝ることになったり取り残されることもあって、最後はタイトルに納得できるんです。

でも『テセウスの船』は違いました。全編を通して「テセウスの船は、本当にテセウスの船といえるのか」ということを、主人公の人生を通して投げかけられていると思うんです。

本当におすすめできる、いい作品です。

(ヘッダー画像引用元:東元俊哉/作者Twitter )


それではまた明日。

最後に。
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