闇の中。
夜の闇の中を、考えてみて。
目を閉じても闇。
目を開いても闇。
でも、目を閉じていた方が、安心なのはどうして?
それは、『何も見えない』と知っているから。
暗闇を見つめるのは、恐ろしい。
何がいるのか、分からないから。
分からないことは、恐ろしい。知らないことは、恐ろしい。
では、目に見えれば、本当に安心なのだろうか?知っていれば、恐れることはないのだろうか?
『知らないよりマシ』が半分で、
『知らない方が幸せ』が半分かな。
知ってしまえば、もう戻れないこともある。
そういうことは、本当にある。
長く生きる程に、変な知恵は増えていく。
そのくせ、本質を独りで見つめる勇気は、持てない時がある。
暗闇の先に、何も無かったと気づくのが、実は一番恐ろしい。