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「楽しさ」が原動力。一から始めた養蜂業と、その次のステップ【かまびと。#07 辻養蜂場・辻諒太さん】

🌱かまびと。
嘉麻市のふるさと納税に関わる「ひと」にクローズアップ。こだわり抜いた返礼品を提供している事業者さん、嘉麻市のために頑張る市職員さんなどなどの紹介をしています。

スプーンですくって、ぺろり。
一口舐めると、口の中にふわっといい香りが広がります。後味はすっきりしていて、口の中に残りません。まるでおとぎ話の中のお家のような可愛らしい直売所では、そんな「百花蜜」「レンゲはちみつ」が売られています。

今回の「かまびと。」で紹介するのは、辻養蜂場の代表、辻諒太さん。辻養蜂場さんは嘉麻市で唯一のセイヨウミツバチの養蜂場です。自分で一から養蜂業を始めたという辻さん。その原動力や、生産しているはちみつへのこだわり、これからの展望についてお伺いしました。

1, 時間をかけて、濃いはちみつを。


ー辻さんが作っているはちみつへのこだわりを教えてください。

こだわっているのは、はちみつの糖度ですね。
採蜜の時期になると、通常は1週間程度で巣箱にはちみつが溜まるんです。でも、それをすぐにとってしまうと、味が薄いはちみつになってしまうんです。うちの場合はそこからさらに3日程度待って、はちみつが濃縮された段階で採蜜をします。そうすることで、味の濃いはちみつになるんです。

ースーパーで売っているようなはちみつとの違いは何ですか?

味の特徴は、はちみつに花の香りが残っているところですね。また、はちみつのえぐみや雑味が少なくなっています
スーパーで売っている国産の安いはちみつは、全国で生産されたはちみつを買い集めてそれを混ぜて出荷しているんです。それに比べてうちのはちみつは、うちの養蜂場で採れた蜂蜜だけをひとつひとつ瓶詰めしています。そのため時期によって味にばらつきが生まれますが、生産者の顔が見えるはちみつになっています。

直売所で売っているレンゲハチミツ。
隣には百花蜜も売られていて試食もできるので、食べ比べをするのも楽しいです。

2, 天候、花、外敵... 養蜂業ならではの苦労と楽しさ


ー「百花蜜」も「レンゲはちみつ」も自然の中で咲いている花から採蜜しているそうですが、自然の中で採蜜するからこその難しさはありますか?

自然に咲いている花から採蜜するとなると、どうしても天候の影響を受けてしまいます。たとえば、冬に雨が少ないとレンゲの花が咲きにくくなるので、レンゲはちみつの量が少なくなります。また、百花蜜はハゼの花やクロガネモチの花からとった蜜でできているのですが、梅雨入りが早いとそれらの花がつきにくくなり、百花蜜の味が変わってしまいます。

このように、天候の影響で、自分がかけた分のお金が必ずしも返ってこないことはしょっちゅうあります。

さらに、スズメバチやダニなどの影響でハチが死んでしまうこともあります。だからこそ、ハチが元気な4〜6月以外は、害虫対策などのハチのケアも欠かせません。

辻さんの養蜂場の1つ。たくさんの巣箱が並んでいます。養蜂場は色々なところに点在していて、日ごとに異なる場所を回って巣箱の点検をしているそうです。
巣箱を点検している辻さん。
右手に持っているのは燻煙機といって、ハチをおとなしくするために使います。

ー今のお話を聞く限りかなり大変そうですが、養蜂業の楽しさは何ですか?

たくさんありますよ(笑)
まず、ハチを扱うこと自体が楽しいですね。養蜂家はそれほど多くはないので、それがきっかけで色々な出会いがあるのも楽しいです。

これは農業全般にいえることかもしれませんが、養蜂業は頭の中で考えていることを色々な方法で表現できるんです。パッケージのデザイン一つをとっても自分の好きなように決められますし、自分が作ったものを売る相手も自分で決めることができます。僕の場合は、なるべく自分が作ったはちみつを地元で売りたいと考えています。なので基本的にスーパーには置かないし、置いたとしても「直売コーナー」のようなところだけです。お客さんとのつながりを大切にしたいので、直売所にお客さんが足を運んでくれると嬉しいですね。

直売所にある養蜂関連グッズの1つ、「養蜂家レゴ」。
辻さんいわく「養蜂バージョンだったんでついつい買っちゃいました(笑)」とのこと。


3, 一から始めた養蜂業、養蜂を選んだ理由とは。


ー辻さんはなぜ養蜂業を始めようと思ったのですか?

うちのばあちゃんの家が、セイヨウミツバチを家で飼っていたんです。だから、養蜂の仕事自体は知っていました。もともと虫が好きだったこともあり、「何となく面白そうだな」と思ったのが最初のきっかけです。養蜂家になろうと決めたのは中学2年生の時ですね。勉強が嫌いで、何か目標を決めないと勉強のやる気が出なかったんです。それを母に相談したら「養蜂家がいいんじゃない?」と勧められました。

ー養蜂業を一から始めるにあたって、どのような苦労がありましたか?

養蜂を始めた頃は、大きな養蜂会社で3年間住み込みで修行をしていました。僕は集団生活はあまり得意ではなかったので、住み込みでチームで仕事をするのはかなりきつかったですね。当時は採蜜の時期に合わせて日本全国の養蜂場を渡り歩いていたので、数ヶ月単位で環境が変わることや、雨の日以外は休みがないことも大変でした。

直売所でお話ししてくださる辻さん。直売所は木目を基調としていてとってもおしゃれです。

4, これからは... 養蜂×イチゴ農園!?


ー辻養蜂場さんのこれからの展望を教えてください。

これからは、事業の規模を拡大していきたいですね。もちろん人は足りないので、働く人を増やしていきたいと思っています。

その際にネックになるのが、養蜂業が冬の間は閑散期になってしまうことなんです。そこで、冬の間の仕事をうむために、イチゴの観光農園を始めたいなと思っています。ミツバチはイチゴの受粉にも使われるので、イチゴ農園は養蜂業との相性がいいんです。僕は農業大学校でイチゴを専攻していたので、そのノウハウを活かしてやっていきたいなと考えています。

僕はまちに人が来る仕組みを作ることに興味があるので、養蜂業と観光農園を作ることで、雇用も生みやすくして、観光客も集められるような場所を作りたいですね。そうすることでまちの経済効果を生むこともできると思っています。

ーイチゴの観光農園、すごく面白そうな取り組みですね...!完成したらぜひ私も行ってみたいです!

直売所には4匹の猫がいます。だんだん数が増えていくんだとか...(笑)
庭に咲いている桜とパシャリ。

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ここまで読んでくださりありがとうございました!
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