アートめぐり ヴァロットン 黒と白展
やっとスプラトゥーン3への情熱もひと段落して、アートめぐりに読書に刺し子にと秋を堪能しています。
今回は、三菱一号館美術館で2022年10月29日(土)〜2023月1月29日(日)まで開催されているヴァロットン展へ行って来ました。
この展覧会に行くまで、ヴァロットンを知らなかったのですが、ナビ派の黒一色の革新的な木版画で名声を得た芸術家だそうです。三菱一号館美術館は、世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇ります。
木版画は、小学校か中学校でやりましたが、難しいという記憶しかありません。今回の展覧会には、たくさんの木版画があってその数の多さに驚きです。
ヴァロットンの魅力のひとつにブラック・ユーモア溢れる視点がありますが、『アンティミテ』というシリーズなんてまさにそうです。
『アンティミテ』という言葉の意味は、フランス語で親密という意味です。
こちらは、今回のポスターにもなっている『アンティミテ』のシリーズの中の『嘘』という作品です。カップルが仲良く抱き合っているのかと思いきや、タイトルを聞いて見え方がまったく違ってきます。
『アンティミテ』の中には、他にも『お金』や『きれいなピン』というタイトルの作品もあります。『お金』は納得のタイトルで、男性の背後の黒さがやましさを表しているよう。
『きれいなピン』は、室内で男女の抱き合う作品のどこにピンがあるのかと思いきや、原題だと棘を意味しているとのこと。女性名詞で、女性のことをさしてるそうなので、きっと悪い女性なのでしょうね。
三菱一号館美術館公式ブログに解説がありましたので、興味があればご覧ください。
パリの街の切り取り方も独特で、『突風』や『自殺』など、そこを切り取るのかという感じです。
●突風
●自殺
でも、こういう作品は、嫌いじゃないです。ただただ美しい作品も素敵だけれど、世の中きれいごとだけじゃないよねっていう作品もわかるわかると納得しちゃいます。
もちろんヴァロットンの作品は、シニカルなものだけではなく、かわいい猫がいる作品や『楽器』のシリーズなど、卓越したデザインセンスが素敵なものもたくさんあります。
グッズは、あまり調べず訪れたのですが、ハガキが2種類あり、作品をよく表現できている古紙っぽい厚手のハガキがとても気に入り、購入しました。
黒と白展とありますが、作品の白いところはベージュっぽい色なのです。
●ユングフラウ
●婦人帽子屋
●嘘 アンティミテI
●F.レザンの蔵書票
●愛書家
『愛書家』の顔をライトで隠しているところのミステリアスさなんて本当に素敵ですね。
シンプルな木版画で色も白と黒だけなのに、ここまで作品の奥深さを表現するのは、とてもすごいです。興味があれば、ぜひ美術館を訪れて作品に触れてみてはいかがでしょうか。