『レーエンデ国物語』読んだ。

(以下、SNSで呟いたものをコピペしただけです)

『レーエンデ国物語』読了。慌てて読んだし寝落ちもしたからあれだけども。なんと言ってもトリスタン、とユリアの2人の物語だなと。逆に言えば主役2人の話がノレなかったら微妙に感じてしまうかもしれない。 ユリア・トリスタン・ヘクトル3人を中心に話がそれまで動いていたのが、終章になると、トリスタンの存在は歴史的には記録されてないという記述が出てきて、視点が個人から俯瞰に一気に変わり、途端にユリア達のことが遠い存在のようにちょっと感じるが、少女だったユリアはそれなりの年齢までよく生きてくれたことがわかって安堵。この物語は長い歴史の一幕に過ぎないとしても、トリスタンは鮮烈な生き様を見せてくれた。

トリスタンの最後、関係ないけどだいぶ前に読んだ『小説版 聖戦の系譜』を思い出した。原作ゲームはやれてなくて小説版と漫画版を読んだだけなんだけども(自分でやってもクリアできない気がして幾星霜)物語はシグルド親世代・セリス子世代の二部構成で、親世代は最後、子世代に託して……という。

あとこれは私が捻くれているだけの話なんだけど、現実は別として(現実は別として)、若者が重い病気で早死にするのが確定している物語って、なんかこう…ちょっと…ズルいよなあと思わなくもない。でも『あしたのジョー』の「真っ白な灰」的な憧れがこの世から消滅するわけないだろと言われたらまあ良い悪い別として確かに。それに、物語を見る側をシラケさせないでしっかり胸打つような「過程」を築けられるかどうかが肝心要で、話が乗っかれなかったら「お涙頂戴」とかの烙印を押されるだけの話ではある。キャラが死ねば感動すると思うなよって感じで。そういう意味じゃ『レーエンデ』のトリスタンはちゃんと感動させられた

レーエンデのトリスタンがめちゃくちゃ好みかっていうと個人的そこまでの刺さりはないけど、すごくいいやつなのは間違いない。あと終章で一気に視点が「個人」から「歴史」に変わった事で、トリスタンの死も余計に俯瞰で見れちゃう所ある。 「歴史」という大きなもので見てしまうと、トリスタンは 歴史の記録には残らない、実在したかも疑われているような存在。それでもトリスタンを実際に知る者達からは、とても重要で大切で、愛される存在で。レーエンデの世界…『物語』の中で確かに生き抜いて花開き散っていた、そういうロマンある奴だったなと思う。



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