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(移動式)本屋の「在庫」事情について

こんばんは。かくおうどう大野です。

「本屋さんを始めたいけどなにをどうしたらいいかわからない」という人は実はいっぱいいるんじゃないかなと思って在庫というテーマで書いてます。

本屋さん=本がたくさんないといけない?

結論から言うとそんなこともないのです。移動販売で本を販売するときに、在庫が多いときも在庫が少ないときも売れる本の冊数は変わらないことに気づきました。私はかくおどうを始める前は某新古書店でアルバイトをしていましたが、そこでは買い取り命!在庫量命!みたいな店舗でした。そこでの経験があったのでまずはたくさん本を集めようと思って300冊くらいから移動式本屋さんを始めたと思います。

なんで在庫量が必要かというと

本屋さんの売り上げをものすごく簡略化すると

本屋さんの利益={(本の販売価格)−(本の仕入れ値)}×売り上げ冊数

なんですね。なので利益を上げようと思うと、売り上げ価格を上げるか、仕入れ値を下げるか、多く売るしかないんです。で、一般的に古本市場ってある程度販売価格も買い取り価格も決まってるんですね。相場というやつです。なのでたくさん売るのがてっとりばやい方法です。

人間そんなに本を買うものじゃない

いくら本好きとはいえ、1日に5冊も10冊も買うわけでなくて、かと言って新しいお客さんがどんどん来るかというとそういうわけでもないでのす。「あれ、本だけで利益つくるのって相当難しくないか?」ということに1年くらいして気づきました。

本が売れなくても利益が入る仕組みが大事な気がします

利益はもちろん大事だし、本を買ってもらうのもすごく嬉しいことです。ただ本屋さんって薬箱のようなものだと思っていて、いまは必要ではないかもしれないけどなにかあったときそこにないと困るものだと思っています。まずは本との接点を増やすこと、それだけでも意味のあることだと思ってます。そういうわけでかくおどうでは本以外でどうやって売り上げを作るかにシフトしました。その結果 美術展やダンスイベントなどやっています。そこの入場料や参加費が売り上げになります。そしてそのときに持っていく本は50冊だけです。キャリーケースに入れて持っていける量しか持っていきません。売り上げは平均で2,000円〜3,000円です。それでも自分の好きな本を置いてるので、買ってくれた方は「面白かったよ!」と言ってくれてまた買ってくれます。そういう風にじわじわと本好きを増やせていけたらと思います。

ものすごく真面目に話してしまったので次回は香港で間違えて女子トイレに入ってしまった話でもしようと思います。

大野



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