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「覚醒」2022 rd.11 オーストリアGP F1問わず語り #11

 一度は行ってみたいサーキットである。
 高原に広がる緑、美しい山々、澄んだ空気。これほど美しいロケーションを持つサーキットが他にあるだろうか。だからこそあのオレンジの煙は許しがたいが、それは措いておく。

 レッドブルリンク。
 カレンダーで最もラップタイムの短いショートサーキットである。

 全開区間と鋭いコーナーを組み合わせた比較的シンプルなレイアウトで、パワーと信頼性、そしてラグビー風に言うならドライバーのディシプリン(規律)が試される。
 夜に凝った演出をしなくても、斬新なレイアウトを創作しなくても、美しいGPは実現できるのだ。見てるか、サウジ。

 7月は4レースが予定されている。イギリスーオーストリア、一週空いてフランスーハンガリーの連戦に、チームはやってられない気分にもなろうが、テレビ桟敷のファンとしてはうれしい忙しさだ。
 今シーズンもいよいよ中盤を迎えた。

予選

 忘れたころにやってくるスプリントレースの週末である。金曜フリー走行の観戦を楽しむ術を持たないだらしない筆者で、スプリント前日の金曜予選を見逃すことも多いのだが、かろうじて気づき、眠い目をこすりながら視聴をした。

 うむ、美しい。

・~Q2

 ここにきて中団勢にも序列が出来つつあるようだ。Q2を突破したのは、2強、1中に加えてアルピーヌとハース。この2チームの充実ぶりは素晴らしい。特にアロンソは、レースに変化と笑いをもたらしてくれる稀有なドライバーである。彼に上位に食らいつけるマシンを与えているチームをたたえたい。

・まさかの赤旗2連発、しかも

 重い瞼を強制的に開かせてくれたのはハミルトン。

 ターン7でコントロールを失い、タイヤバリアにヒットしてしまう。ハミルトンには何とも珍しいシーンだ。しかし、衝撃は続く。
 赤旗中断中に完全に閉じてしまった瞼をこじ開けたのは、ハミルトンのチームメイト、ラッセルだった。

 ターン10でスピン。メルセデスは、2台がクラッシュという、衝撃の予選となった。

 ポールポジションを獲得したのは、フェルスタッペン。フェラーリの2台が続いた。

スプリント

・4コマ男

 スプリントレースのフォーメーションラップ。アロンソのマシンが動かない。

 あえて前のグリッドでスタート練習をするなど、スタートの準備に入念を極め、気合十分だったアロンソだが、結局スタートできず仕舞いとなった。
 4コマ漫画みたいな男だ。

・フェルスタッペンのスタートで決まった

 スタートを決めたフェルスタッペン。その後ろの赤い2台、ルクレールとサインツがオープニングラップからやりあう。その結果タイヤをいじめ、フェルスタッペンの独走を許すことになる。
 結果的にはスタートで、勝負が決まった形となった。

決勝

・またやった

 オープニングラップ。先週の再現か。

 アグレッシブなラインをとったペレスがラッセルと接触。ラッセルには5秒ペナルティがくだされたが、ペレスはピットインせざるを得ず、大きく順位を落とす。これはチームは怒るわ。

・ルクレールがトップに立つ

 スタートでフェルスタッペンをかわすことがは出来なかったものの、話されないルクレール。デグラデーションに苦しむフェルスタッペンを遂にかわす。
 シルバーストーン、レッドブルリンクと、レッドブルの方がタイヤに苦しんでいるようだ。フェルスタッペンはかなり早い段階でタイヤを変えざるを得なくなった。ペレスのポジションダウンに続き、かなり苦しい展開となる。

・大バトル

 中段では、 5台がはげしくポジションを奪い合うバトルが勃発する。

 なぜか19番グリッドスタートのアロンソと最後尾スタートだったボッタスがここにいる。
 そして何よりミックだ。以前であれば、トップ10圏内走行中というだけで緊張感がびんびんに伝わってくる走行だったが、完全に自信を自分のものにして、堂々たるバトルを展開した。スプリントでは、ハミルトンと競り合い、決勝ではアロンソとポジションを争う。
 よくここまで来た。最終的には、自己最高順位の6位。

 将来性のないドライバーだと思っていたが、いやはや。

・炎上

 58週目、サインツのマシンが悲鳴を上げる。
 PUから出火。マシンが炎につつまれるなか、なんとかサインツはコックピットを脱出した。

 フェラーリ1-2は、堅かっただけに無念のリタイアとなった。ワールドチャンピオンを決してあきらめていなかったはずのサインツも、うなだれるばかりだ。
 これで、バーチャルセーフティカー。ルクレール、フェルスタッペンが共にタイヤを交換し、終盤に備える。

・ルクレール、快勝

 両者、タイヤを換えて終盤勝負となるかとみられたが、フェルスタッペンは最後までルクレールとの差を詰めることができず、チェッカー。

 ルクレール、素晴らしいレースペース、見事なオーバーテイク、文句なしの快勝だ。終盤、スロットルの不具合を訴えたが、ペースは全く落ちず、スタートからフィニッシュに至るまで、スピードと自信に裏打ちされた安定感のあるレースを見せた。

 これで、フェラーリは2連勝。このままフランス、ハンガリーも突っ走りたい。

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