「寝るな」2022 rd.12 フランスGP F1問わず語り #12
今年もあのGPがやってきた。
まばゆく、思わず目を細めてしまう。夏の強い日差しではなく、未だ見慣れずまた見慣れたくもない縞々模様のランオフエリアを誇るポールリカールサーキットが舞台のフランスGPだ。
ローパスフィルターレスのカメラには、なかなかに厳しいサーキットだ。ここで試練となるのは、アンジュレーションではなく、トラックリミットでもなく、モアレだろう。
みんなフランスが大好きだ。
前半戦も残り2戦。早速振り返ってみよう。
予選
・ガスリー、残念ながらQ1敗退
ご両親が観戦に訪れていたガスリー。
アップデートが入って競争力の上がったマシンを手に入れ、地元ファンの期待に応えたかったガスリーだが、1回目のアタックでユウキの後塵を拝してしまう。
挽回をかけた2回目のアタック中、アルボンがクラッシュ。あおりを食ったガスリーはタイムを伸ばせず、くやしいQ1敗退となった。
モナコに続き、好調を予選で生かせないガスリーであった。
・速さを見せたユウキ
Q2に進出したユウキ。ユーズドタイヤでの1回目のアタックを終え、ニュータイヤを履いた2回目のアタック。セクター1でライバルに後れを取るものの驚異的な速さでセクター2を抜け見事トップ10入りを果たす。
ここ数戦良いところのないユウキだったが、フランスで、新たな流行語と冷却ベストと共に遂に速さも見せた。
・フェラーリのチームプレイ
パワーユニット交換によるペナルティでグリッド降格が決まっていながらQ3に進出し、Q3への壁を厚くしていたサインツ(とヌッセン)。Q3で大仕事を果たす。
渾身のアタックをするルクレールを引っ張り、ポールポジション獲得に大きく貢献した。
ルクレールのチャンピオン獲得には、チームメイトの協力が条件となるだろう。
決勝
・「BRO」どころじゃない
オープニングラップ、ユウキを悲劇が襲う。シケインで、ユウキのインをついたオコンが曲がり切れず、ユウキのマシンのサイドポンツーンに衝突。ユウキはコントロールを失い、最後尾に下がる。オコンには5秒ペナルティがくだされたが、当然ユウキのポジションが返ってくることはない。
結局、クラッシュの影響でペースを全く上げられずユウキは途中リタイアとなった。8番手スタートで名誉挽回のチャンスだっただけに悔しいリタイアとなった。
・タイヤを生かせないレッドブル
無難なスタートを切ったルクレールとフェルスタッペン。フェルスタッペンはルクレールの独走を許さず、絶えずプレッシャーをかける。しかし、周回を重ねるごとにフェルスタッペンのペースが落ちていき、遂にピットイン。アンダーカットとも取れるかもしれないが、やはりデグラデーションの大きさにたまらずといった格好だった。
しかし、この判断がルクレールにさらに大きなプレッシャーを与えることになる。
・自滅
18週目。
アンダーカットを警戒しプッシュしていたルクレール。最終セクターでコントロールを失いクラッシュ。マシンは大きなダメージを負い、ルクレールは悲痛な叫びをあげるしかなかった。
とてつもない重圧を背負い、潰れたルクレール。その重みは想像することもできない。強くなって帰ってこい!
これで優勝争いの興味の薄いレースとなってしまった。最終的に、フェルスタッペンがトップチェッカーで25ポイントを獲得する。
・寝てた
盛り上がりに欠けるレースとなったフランスGPだが、見せ場が終盤に訪れる。50週目、周がマシンを停め、VSCが入る。
表彰台を激しく争っていたペレスとラッセルだが、リスタートにトラブルが発生する。
FIAのトラブルにより「VSC Ending」の表示のまま、なかなか終わらない。しかし、遂にグリーンフラッグが振られたとき、ペレスは完全に集中力を切ってしまっていた。リスタート直後、ラッセルがペレスをパス。ペレスは追いすがることさえできなかった。
筆者はVSCやローリングスタートがあまり好きではない。安全のためを思い受け入れてはいるが、変化に乏しく興奮を誘わない処置だからだ。しかし、珍しいこともあるものだ。でも、こういうことが起こっては困る。
レース中寝てるドライバーがいれば、レース後、寝てるドライバーもいた。
次戦は、毎年楽しみなハンガリーGP。ハンガロリンクは退屈そうなサーキットにもかかわらず、モンツァと並んで、いつも何かが起こるサーキットだ。