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アルビレックスvsベルディ(J×WE)

5.8(SUN)明治安田生命J2リーグ 第15節
アルビレックス新潟vs東京ヴェルディ(デンカビックスワンスタジアム)
4-3 ホームチーム勝利(ホーム7連勝・8戦負けなし)

今回は劇的勝利のベルディ戦に加えて同日にビックスワンで行われたWEリーグのアルビvsヴェルディの男女での同チーム対決についても触れていきたいと思う。

勝って反省という最高の収穫

すべてが計画通りの前半戦。

ホームでの異常な強さが目立つここ最近のアルビレックス。このゲームでは前半にアルビが3点先取、後半にベルディに65分までに同点に追いつかれるも88分に矢村健(ヤム)のスーパーゴラッソで逃げ切り劇的勝利。
この試合は3-3になるまでの流れはベルディペースであった。だがそれはよりポジティブな場面でボールを保持できている明確な有利不利の見分け方。実際はアルビが手堅く守りコースを切り相手の選択肢を限定しながら戦えていた。特に前半はこの徹底した守備でベルディの決定打を凌ぎ続けた。そして数少ないチャンスを生かし得点を重ねる事で組織一体で攻守で戦えていた。

悪魔の15分間

後半に入ってベルディは一気に4人を交代し守備はボニフェイス、攻撃は左にポジションを移した新井と右のバイロン、中盤の梶川を中心に前への推進力のあるサッカーを展開した。ただアルビも前半に引き続き守備を徹底していた。そんな中後半開始から5分、新井がキレッキレのドリブルからシュートを放つ。ここでもコースを限定していたがこのシュートがDFに当たりボールの軌道が変化し、ゴールに吸い込まれてしまった。
これを機に、アルビの粘り強い守備に隙が生まれ始め、ベルディはさらに勢いを加速させる。失点から8分後、そしてその7分後に続いて失点。気付けば15分間であっという間に3失点この15分間は特に最悪でこのまま逆転されて突き放されてもおかしくない試合展開だった。

流れを断ち切ったのは誇り高き戦士

このままでは終わらないのがここ最近のアルビレックス。同点弾直後、選手全員が自陣中央に集まり選手自身が技術面や気持ちの部分で修正を促す。するとアルビは高や至恩、伊藤を投入し落ち着いて自陣からビルドアップをしていく。ここからは伊藤の細かいタッチや高のゲームメイク、そして三戸の走力と一番の脅威となった至恩のドリブルで相手の守備組織を揺さぶる。
そして80分、至恩とマッチアップしていった深澤にイエローカード、これでさらにやりやすくなる至恩。さらに85分には矢村を投入した。そしてその43分後88分カウンターで伊藤が持ち上がりいい形で矢村の下に。ここで効いてくるのが再三仕掛けた至恩のドリブル。サイド攻撃を意識しすぎてベルディのディフェンスラインは感覚が遠くなり矢村がフリーで前を向くと左足のミドルシュートがゴールに吸い込まれた。
試合展開を大きく変えた15分間では守備に課題が多く生まれたものの試合を通して組織的に戦えていたアルビレックス。常に成長し続ける彼らに今シーズンも期待が高まっていくばかりだ。

意地を見せたレディース

同日に同会場で行われた同じ名前のチームによる珍しいカード。
男子チームが白熱した試合をした後、熱気の残るピッチでWEリーグの第20節がキックオフ。順位を見たら誰もがアルビレディースは弱いんでしょ?と言うかもしれない。でも今回はそんな意見をも吹き飛ばす試合を見せてくれた。
WEリーグ内では順位付けはされているものの実はチームとしてのレベル差がそこまであるわけではない。
アルビはレディースでもとても粘り強いサッカーをしてくれる。日本代表にも選ばれる上尾野辺めぐみや北川ひかるなど技術面で優れた選手を中心に堅実にプレーをするのがアルビレディース。私はその中で頼もしい点取り屋の道上彩花とMFでよく走るダブル園田(悠奈・瑞希)、この選手たちをかなり信頼している。この3選手には観る者の心を動かしてくれる闘志が滲み出ていてこの試合でもそれを感じた。この試合では相手のCBの元日本代表の岩清水を中心に果敢に攻め込まれるもビックセーブもあり0-0と勝ちは欲しかったものの試合内容からすれば引き分けでも十分に収穫のある試合だった。

・WEリーグ展望
今回のような男女で同じチームが戦うというケースは今後多くはないだろう。こういう貴重な機会を活かしてメディアの注目度や期待度を上げる事でチームとしてもリーグとしてもサッカーという文化を地域に根付いていくきっかけになってくるだろう。
またファン・サポーターがまだ少ないWEリーグにとっては新しい客を引き込むチャンスになり得るので今後も同じような機会があれば大規模なイベントをやってみても面白いかもしれない。個人的にはWEリーグにもっとスポットライトを当ててもらいたいので毎シーズン一回は意識してこういう機会を作って欲しいところです。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
これを機にJリーグのサポーターの方々にはWEリーグに興味を持ってもらえたらなと思う所存です。
少しでも興味を持っていただけたならこの記事に対して少しでも反応をもらえるとはげみになりますのでよろしくお願い致します。

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