政治への天職
マックス・ウェーバーの『職業としての政治』を再読しました。ウェーバーが1919年1月に行った講演なので、今から100年も前の話。しかしながら、今読み返しても示唆に富む非常に気付きが多い著作です。
政治家を目指す学生たちには必読だと思います。
ウェーバーは、「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわじわっと穴をくり抜いていく作業である。」と述べています。
そして、「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が-自分の立場から見て-どんなに愚かであり卑属であっても、断じて挫くない人間。どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ。」と語っています。
そして、政治家は堅い意志で今すぐ武装する必要があると力説しているのです。
政治への天職を持ちうる真の人間を作り出すのが、信条倫理と責任倫理であるとのウェーバーの指摘は、この著作に流れている基本精神だと思います。
パンデミックの中、既存価値が崩壊し、再び政治の必要不可欠性が認識されていると思います。これは、地域コミュニティにおいても例外ではなく、かえって、より切実ではないかと思われます。
人間の根本から出発して、政治とは、そして政治家とは何であるのかについて再定義する上で、ウェーバーの100年前の講演は、まさに古典的位置にあると再認識しました。
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