複雑な時ほど引き算⁉️

人々は生活において、常に足し算的思考に走る傾向がある。あれもこれもと増やしたくなるのだ。携帯電話を見れば一目瞭然。もはやスマホは電話ではない。電話、メールはもちろんテレビも見るし支払いもし、生活必需品となっている。ただ、足し算的思考には限界が来るだろう。携帯電話本来の目的からかけ離れていけば、すでにそれは本質的な意味では携帯電話ではない。
昨今の状況は、足し算的思考では物事がうまく回らなくなるということを如実に示している。そのような中でヒントなるお菓子が登場した。チョコボールのチョコを取ったお菓子、いわゆるチョコボールの中身である。
私は森永製菓の回し者ではないので、このお菓子を宣伝したいのではないが、発想が素晴らしい。まず、チョコボールの中身が美味しいという情報は工場で働く現場の人たちしか知らなかった、そして、会社から現場に実際に行って、その情報を察知して商品として開発した人がいた、そしてこの商品のターゲットを40ー50代のおじさんたちに絞った。お酒のあてとして。その結果、売上が伸びた。
引き算ビジネスと言われているが、本質は学問的方法論である。現象と本質を峻別して、本質を見抜く力、具体的なものを抽象化し、また、抽象的なもの、普遍的なものを具体化する力。学問を通じて思考を鍛錬することが、引き算的思考なるものを備えることができる要因なのだ。そのような意味で、この時代にこそ学ぶ意味は計り知れなく大きい。
ビジネスの世界に限らず、引き算的思考、言い換えれば、今一番大切なことが何かを捉える力を、学問を通じて養っていくことが求められているのではないだろうか。目的と手段が転倒してはいけない。

いいなと思ったら応援しよう!