読書感想文: 「暗殺」柴田哲孝著
この本は注意が必要です。ひとたび開いてしまうともう閉じられないからです。止められません。あっという間に読み切ってしまいました。
フィクションということですが、どこまでが事実でどこからが虚構なのか、境目が難しいです。日本の憲政史上、最長任期の内閣総理大臣が暗殺された経緯に関しては、メディアに見させられている説明よりも、よっぽど説得力があります。この本の内容が真実なのではないかと思ってしまう。
多くの一般人が見させられている事件、ニュースは本当に表層だけなんだなと感じてしまいました。
そこに、明らかに矛盾があっても、いかに違和感があっても新聞記者もジャーナリストも警察も政治家もある「枠」を超えることは何もできない。日本のマスコミは事実を捻じ曲げて伝えたり、意図を隠しながら公平に報道しないので、言論や報道の自由が100%あるのかと思っていましたが、それもその「枠」内なのかもしれません。
なぜ安倍さんが任期の途中で辞職したのか、本当に持病の悪化だけなのか。なぜ新元号は「令和」なのか、なぜ「5月1日」からなのか。この本を読んで、そういう捉え方もあるのか…とショックを受けました。
「陰謀論」という言葉があります。この言葉は批判的に使われることが多く、ネガティブな意味が込められていると思います。通常世間で言われているストーリーと違う論を展開すると、この「陰謀論」という言葉を使ってそれを潰そうとする人たちがいますよね。
でも普通に考えて、物事を多面的に見る、あらゆる可能性を考えるって普通に大事なことではないでしょうか…?
「総理銃殺の陰謀論はガン無視を」という言葉もネットですぐに見つけることができます。世の中で「議論すらさせない」「他の説を認めない」というのは大体怪しいと考えて差し支えないと思います。この「暗殺」を「銃殺」とし表現しているところにも意図を感じます。
それと、この本を読んでもう一つ感じだことが、宗教の恐ろしさです。カルト宗教なんて国の本質的な問題ではないとどこか思っていましたが、国の根幹に関わっている可能性があるとわかって怖くなりました。
側から見ていたら明らかにおかしいとわかるカルト宗教に、なぜ多くの人がハマってしまうのか。他人を貶めたり、傷つけたり、殺めることさえよしとしてしまうその洗脳が怖い。武器を製造販売している宗教とかおかしいでしょう…