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「強くなるため」。その言葉で搾取しないリーグ運営を。


 「強くなるため」。その言葉による不利益が生まれないようにしたい。

 Jリーグの秋春制移行は、日本サッカーが強くなるためには必要不可欠だ。真夏の猛暑、試合日程、チーム編成や強化の面において、秋冬制はポジティブな要素をもたらす。
 欧州と同じようなカレンダーでのリーグ開催は、日本と世界の壁をあらゆる面において低いものとする仕組みづくりだ。

 しかしその一方で、秋春制になることで生まれる不利益にも目を向けなければならない。
 代表的なものとして挙げられている雪国地域の負担は、「日本サッカー」のためを謳うならば、決してないがしろにしてはいけない問題だ。
 積雪による練習・試合への様々な影響や、寒冷化での試合観戦におけるハードルなど、問題は山積みではあるが、ドイツなどをモデルにした仕組みづくり、改善策が適用されれば解決不可能ではないはずである。

 もちろん、欧州と日本ではサッカーに対する土壌が違う。それゆえに、欧州の例をそのまま日本に適用することが必ずしも正しいとは限らないだろう。

 しかしJリーグが見据える「次の30年」に、少しでもその土壌に近づくため。もしくは、Jリーグという土壌をもっと素晴らしいものにしていくためには、いまから地道な開墾作業が必要になる。

 熱狂的なサポーター、国レベルでのサッカー人気、世界に通用するリーグ。そのすべてを達成するためには、それこそ雪国地域のサッカー熱も取り込まなければいけない。

 「強くなるため」。その言葉によって、どこかの地域が我慢をするのではなく、リーグ全体が一蓮托生の想いでレベルの底上げを目指すことが「次の30年」への一歩となる。


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