マンチェスターユナイテッドの膿〜CLコペンハーゲン戦より〜
コペンハーゲンは北欧の古豪だ。簡単に勝てる相手ではないことはわかっていた。しかしそれでもマンチェスターユナイテッドが世界の強豪として返り咲くためには、圧倒的な差を見せつけなければならなかった。
欧州CLグループステージ、マンチェスターユナイテッドはホームでコペンハーゲンを1対0で下した。
この試合、これ以上の敗北が許されないマンチェスターユナイテッドの誇りを守ったのは、それまで批判の的にされていたハリー・マグワイアとアンドレ・オナナだ。
マグワイアのヘディングによるゴールと、アディショナルタイムに魅せたオナナのPKストップ。これらがなければ、マンチェスターユナイテッドは勝てていなかったと思わせるほどに、コペンハーゲンは良いチームだった。
彼ら二人にこれまで浴びせられていた多くの心ない声は、一夜にして称賛に変わった。それは彼らが守ったものがこの試合の結果だけではないからだ。
21日。マンチェスターユナイテッドのレジェンドボビー・チャールトンさんが他界してから、この試合が初のホーム「オールド・トラフォード」での試合だった。スタジアム前には彼をしのぶ多くの人が献花に訪れ、この試合の特別性を物語っていた。
他界したレジェンドへの敬意は勝利で示す。それがマンチェスターユナイテッドという歴史あるクラブにおける一つのやり方だ。結果的に、この試合では彼に勝利を捧げることができ、マンチェスターユナイテッドはCL、誇り、レジェンドという存在を守ることができた。
サポーター、そして選手・監督たちにとっても望んでいた以上のパフォーマンスではなかったかもしれない。しかしこれがいまの現実なのだろう。
様々な問題を抱えるユナイテッドにおいて、今は総力戦の時期だ。もはや誰一人として欠けることは許されず、全員がチームのために戦う必要がある。そしてそのことに対する理解を、マグワイアとオナナの二人は結果と日々の姿勢により示した。
この試合で復調の兆しを見出したい。もしかすると、今は膿を出し切る時期なのかもしれない。監督と仲違いをしているあのWGがこの試合からなにも感じないのならば、もはや彼は出し切るべき存在だ。