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日本代表メンバー発表〜本気のメンバーで臨むわけ〜

 11月8日15時、サッカー日本代表は2026年FIFAワールドカップアジア2次予選に挑むメンバーを発表した。


 メンバー発表前には一部で「主力を温存するのではないか」という予測がされていたが、森保監督は本気のメンバーでアジアの闘いに挑むようだ。

 本気のメンバーが観られるということを喜ぶサポーターは多く、代表というチームの練度を高める良い機会ができる一方で、心配されるのが選手たちの疲労問題だ。

 前回の招集時に久保建英が語った「正直きつい」という言葉からも推測されるように、欧州から日本・アジア諸国への移動は選手たちに多大な負担を与える。
 この負担は選手たちのパフォーマンスをただ低下させる可能性があるだけではなく、最悪の場合は怪我に繋がるという大きなリスクを孕んでいて、実際に前回のカナダ戦でも、中村敬斗が相手タックルによるものではあるが負傷交代を余儀なくされた。

それでも、本気で挑む

 前回のナショナルウィークを受けて、もしくはそれ以前から、森保監督は選手たちと「疲労問題」に関するコミュニケーションを頻繫に行っていたのかもしれない。
 カナダ戦前に三苫薫がコンディション不良で代表を離脱したことや、クラブでの定位置奪取に苦戦していた堂安や鎌田が招集されていなかったことを考慮すると、そのような話し合いが双方で行われ、なおかつ選手側からの要望も聞き入れてもらえるという風通しの良さが、いまの代表には存在していることが想像できる。

 しかしそのような風土があるにも関わらず、今回は鎌田などが招集されている点に、森保監督と選手たちがこの2次予選にかける想いと緊張感が伝わってくる。

 ドイツに勝ち、続くトルコ、カナダ、チュニジアにも勝利した姿を観た我々は、アジアという魔境の怖さを甘く見ているのかもしれない。 
 たしかにワールドカップの出場枠は追加され、以前よりかは本大会へのハードルは低くなったように見える。しかしそれがまるで反比例するかのように、彼らが背負う「当たり前」のハードルを高めていることも事実だろう。 

 7大会連続ワールドカップ出場という事実と共に、日本代表は「優勝を目指す」という次のフェーズに突入した。そのような状況下で迎えるアジア2次予選は、歴史上もっとも「負けられない闘い」になるのかもしれない。

 サポーターである我々と、闘いに挑む彼らとでは、どうしても分かり合えないプレッシャーの壁がある。おそらくその壁の向こう側に立てる者たちこそが、今回森保監督が招集した26人なのだろう。


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