子の歌5首と、母のこと少々
ネットや紙媒体に投稿する短歌や文章は、ほとんどが実際の体験です。時々、おもしろい空想が浮かんで非公開のファイルに書くこともありますが、「もうとっくに誰かが思いついてるだろう」と思い、冒険できずにいます。
<子供の歌>
さて、結社誌の7月号は家族についての10首から5首掲載いただきました。
・夜泣き児の添い寝の闇にめぐるのは無職選びし我の生き甲斐
・わが予算かぞくの予算 文芸誌に指を触れかけドリルへ伸ばす
・池べりの花にカメラを向ける手は子に引きずられ遊具広場へ
・ロッキング遊具に揺られ子の足もラッコの足も行きつ戻りつ
・子を寝かせ空を仰ぎに出入りしてまた子を寝かす春の十六夜
仕事がしたい、趣味がしたい、だけど育児が、だけど・・・・・・というモヤモヤな日々のことです。同じように思っているママさんは多いんでしょうか。
<母について>
実は、私には逆に「母に寝かしつけてもらった」「母と公園で遊んだ」という記憶がないのです。私が小学校高学年だった夏に、突然母がある精神神経系疾患にかかり、それ以降は私と父にとって妹か子供のような存在になってしまいました(今も治りませんが元気にはしています)。
それ以前はどうだったかというと、浮かぶ記憶は父のことばかりで、母が本当に"お母さん"してたかどうかも思い出せません。
↓ 1歳になりたての自分。ぷくぷく・・・・・・
私は一人っ子で親戚とも疎遠だったので、新しい家族やその周りの人達と出会って初めて、普通の家族がどういうものか知ることができました。(ただ、わが家も変わり者ぞろいで専門家のサポートが欠かせません。)
母のことは何度か三十一文字にしてみたものの、表現のしかたが難しいのもあり、今まで掲載されたのは父と子供の歌だけです。その父は2017年に末期がんが見つかり、治療を望まずに早々と旅立ちました。そして最後まで父自身より母の今後を心配していました。
今書けるのはここまでで、また何かの機会に詳しく書くつもりです。
<塔 第66巻第7号(2019,7) 作品2より 若月香子〉ありがとうございました。
※何かありましたらフォームよりご連絡下さい
>>次>>