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アオリイカと白イチジクのフィットチーネペペロンチーノを作ってみた
金沢なので、たぶん寿司を日本平均の5倍くらい食べてるけど
自分で寿司は作らない
刺し身も同じで、どうせプロの味に敵わない
なので、前回のスズキも
刺し身にできそうな個体だったけど、イタリアンになった
初めてのアオリイカも
イタリアンに決まってる
イカスミパスタにする!
(釣り場で、だいぶスミを吐いちゃったけど……)
レギュレーションは前回と同じく
調味料以外、自分で作ったもの以外を使用不可
調味料として使うのは
アルドイノという銘柄のオリーブオイル
トリュフ塩
岩塩
それ以外を、庭から穫ってくる
![](https://assets.st-note.com/img/1696663278695-23QwTzXP5K.jpg?width=1200)
市販のパプリカは大きすぎて
毎日少しずつ使う用途に向いてない
それ用に品種改良された株があるらしく
2色を植えておいた
肥料は、鶏小屋のウンコを定期的にまくだけ
雑草も抜かずに放置したほうが、作物が焦って美味くなる
という豆銑礼理論に従ってる(単にメンドイだけ)
![](https://assets.st-note.com/img/1696663403717-Ar9Tz0Myzh.jpg?width=1200)
どの色のパプリカも、まず緑色で始まって
熟れると変色する
害虫はカメムシのみで
葉は食われるけど、実には群がらないみたい
殺虫剤はメンドイので使ってなくて
ニワトリに食わせてるけど
パクチー味の卵にはならなかった
ちなみに、ピーマン系の葉は可食らしいので
日本に飢餓が来たら食べてもイイかも
![](https://assets.st-note.com/img/1696663429694-NeZMyNmQDT.jpg?width=1200)
バジルは毎年、摘心して倍、倍、倍、……に増やすことで
無限バジル化させてる
種からも可能だけど、北陸の気候では
ダブルアップの開始が遅れてしまうので
スイートバジルの苗を1株買ってくるほうが簡単
これはスイートバジルでなく、品種改良されたもので
花芽がほぼ作られないので、さらに無限
害虫はショウリョウバッタのみで
不織布でこんもり覆っとくと、ノーダメージで行ける
![](https://assets.st-note.com/img/1696663453189-d5P4fD7ixQ.jpg?width=1200)
イカの白と合わせて
イタリア国旗になるように選んだ
黄色がいらない……?
サロ共和国なんだよ!
![](https://assets.st-note.com/img/1696663468789-HTwTcecrj0.jpg?width=1200)
小豆島でオリーブ園を見て
パクりたくなったので、金沢なのにオリーブをたくさん植えてる
雪でも平気な耐寒性
かつ水やり不要で、この植物は強すぎる……
ミッションには低い確率だけど自家結実性があり
樹が大きければ、数粒はできる
生で食べたら、ほぼ渋柿だった
オリーブの実はオリーブオイルに漬けるのかと誤解してたけど
水に漬けるらしい
水が腐ったらやなので、これは塩に漬けたもの
変色した塩も
藻塩のように、にが美味い
![](https://assets.st-note.com/img/1696663490389-u7Qb50KmX2.jpg?width=1200)
トリュフ塩は頂き物
ミーハーだけど、世界三大珍味はどれもフツーに美味しく感じる
トリュフは、干し椎茸レベル255って感じで
匂いでなく味に特化した感じが、松茸とは違うベクトル
コナドリアは、富山県で奨励されてるらしく
小さい苗を1つ頂いたら、2年で樹高3mになった
この植物も強すぎる……
1年で何回も結実するっぽくて
おなかが減ってイチジクに来ると、たいてい1つはなってるので食べる
(聖書かよ)
![](https://assets.st-note.com/img/1696663514528-g3eMpHX83p.jpg?width=1200)
スパゲッティには個人的なこだわりがあって
パスタと呼ばないし、生麺をあまり美味しいと感じない
特に、鎌倉パスタは
量が多いのに味が単調で、味変できずトラウマになった
家系や二郎系のように
スパゲッティも麺が太いほうが、小麦の美味みが分かりやすい
ただ、太いストレート麺は
のびた時に、食感が安いソフト麺化するリスクがあるので
フィットチーネやペンネを使い
茹で汁スープをあまり残さない、カラッとしたスパゲッティにして
熱々のうちにガツガツ食べてもらうのが好き
![](https://assets.st-note.com/img/1696663527826-6NcZUFQAVG.jpg?width=1200)
アオリイカ(石川県産)
で釣ってきたもの
性別不明
(2本の長い触手が生殖器らしいけど、見ても良く分からなかった)
ちなみに、このスパゲッティは夕食として調理開始し
それまではスプラトゥーン3のXマッチを遊んでた
![](https://assets.st-note.com/img/1696663544954-2xZaY9aqLe.jpg?width=1200)
アオリイカ専用の調理方法は調べてない
スルメイカは、何十パイかバラしたので
同じで行けるだろ……常考……ってノリで解体する
まず、夏油傑のようにパカッ
……したかったのだけど、スルメイカと違って
なんか3ヶ所くらいで強固にくっついてるみたいで
指でブチィッって千切らないと
胴体が浮いてくれなかった
![](https://assets.st-note.com/img/1696663570978-N9cYB6yayL.jpg?width=1200)
この中心に、口とクチバシがある
エギは短い脚に引っかかってたし
エギを食べてはなさそう
確かに10本ある
タラバガニの、実はカニじゃないみたいな
詐称がなくて良かった
![](https://assets.st-note.com/img/1696663642072-9CzWnzHQyo.jpg?width=1200)
取り外すのに手こずったせいで
圧迫祭りになっちゃって、スミがぶにょって出ちゃった
皮を剥がないと
加熱時に皮だけが縮まって、身がイカロールしちゃう
とりあえず中央に線を入れて、皮を左右に開いたら
崩玉と融合した藍染みたいになった
スルメイカだったら、皮を1周ぶん剥がせばイイけど
エンペラが邪魔して1周できない……
![](https://assets.st-note.com/img/1696662920797-OmIZSOan9l.jpg?width=1200)
背骨でなく
アンモナイトだった時代の殻が退化したもので、軟甲と呼ぶらしい
これからアオリイカを釣るたびにコレクションしたいので確保
![](https://assets.st-note.com/img/1696662918855-gXDiTOtSIV.jpg?width=1200)
スルメイカならば、ボディの先端に卵とか、墨袋があって
半解凍だと破らずに取り出せるけど
もう破っちゃったみたいで
墨袋が見えない……
ここに海水を出し入れしてるわけだから
左右のはエラかな……
![](https://assets.st-note.com/img/1696662920550-KG7oNpRwOq.jpg?width=1200)
あとは、頭から可食部だけを分離する
脳とか心臓が複数あるらしいけど、食べられないなら興味なし
目の周りの部分がコリコリして美味しいので
頭の中心線でパーンと割ったけど、その写真はさすがに自粛
![](https://assets.st-note.com/img/1696662993968-vBnzpvAewF.jpg?width=1200)
ペペロンチーノは唐辛子と
それを使ったスパゲッティの両方を指すけど
いちおうペペロンチーノに使う唐辛子は
ピッコロという品種が良いとされてる
ピッコロは日本でも買えるけど
乾燥時に発芽能力を失ってるので
種を手に入れて、毎年その子孫をループさせてる
栽培難度はEだけど、発芽温度が高いため、そこだけ難度Sで
金沢で春までに発芽させるには、文明の力(暖房)が必要
辛さの粒子が細かく、鷹の爪より辛く
風味がぜんぜん違うので、わざわざ選ぶ価値はある
オリーブオイルも
アルドイノを使うと、イタリアの味になる
ニンニクには、そういう伝統的な指定は無いようだし
これは日本の品種を育てたもの
栽培用と料理用を植えて比較実験したけど
ぜんぜん差がなかったので、料理用でイイと思う
![](https://assets.st-note.com/img/1696662990003-RRhkKg1ziq.jpg?width=1200)
毎度のことだけど
私の料理は(メンドイので)ほぼ計量しない
生でも食べられるものばかりだから
足りなかったら途中で足せばイイ
イカスミは油だと聞いたことがあったので
最初からオリーブオイルに混ぜてみたけど、確かに水よりは油っぽい
![](https://assets.st-note.com/img/1696662991687-Fl4BT0dHem.jpg?width=1200)
酸っぱみ、渋み、苦み、エグみなど、ちょっとだけ複雑な
雑味を足すと、高級に感じる法則がある
オリーブの塩漬けを味見したら、美味みとエグみがあったので
これは良いと思って、スライスして投入した
![](https://assets.st-note.com/img/1696662991579-Puxc4FNNj5.jpg?width=1200)
火は弱火
この段階は、オリーブオイルにニンニク味を染み込ませるのが目的で
火を通すのが目的でない
パプリカの切り方は
これがベストだと判断した
これはペペロンチーノであって
ジェノベーゼでないので、バジルの量は少なめにした
![](https://assets.st-note.com/img/1696662993776-ofPfPt6jfs.jpg?width=1200)
イカを食べない国をアホだと思うけど
イカを食べる私も
目を食べるのは、ちょっと抵抗あるので
好みってグラデーションで
目を食べるグルメからは、私もアホに見えるのだろう
![](https://assets.st-note.com/img/1696662992567-oTs9kXcxIq.jpg?width=1200)
簡単に取れる
口の部分を、能登ではメガラスと呼ぶので
メガロとカマキラスのフュージョンと覚えてほしい
メガラスは、イカで2番目に美味しい部分だと思う
1位は目の周り
3位はエンペラ
![](https://assets.st-note.com/img/1696662994647-Xw5DLo3tVw.jpg?width=1200)
野菜を弱火で炒めてた理由は
ここからはイカと一緒に炒めるから、先に野菜だけ柔らかくしすぎると
グチャグチャになっちゃうため
イカの胴体の短冊切りを、2種類混ぜてある
長辺方向に切ると、長いのが数本でき
短辺方向に切ると、短いのがたくさんできる
それらの割合を1:1にすることによって
食べてる最中に発見して嬉しくなることや、食感の変化を期待してる
![](https://assets.st-note.com/img/1696662989538-7qvzTmF4QP.jpg?width=1200)
イカスミは水分を失うとネバネバして、イカの実に吸着されて
身の味に、海の深みを足すみたい
ハンチョウのカキ貝みたいに
あまりに人間本位のデザインなので
食われるために生きてるとしか思えん……
この後、麺を混ぜて再加熱するので
ここで火を通し過ぎない
イカは
生が柔らかく
加熱すると固くなり
加熱しまくって繊維を破断させると、また柔らかくなる
のが特徴だけど、スパゲッディは3まで行けないので
1を保って2にしないのがコツ
この段階では、半生くらいで良い
![](https://assets.st-note.com/img/1696663055117-A9MfVS2fi6.jpg?width=1200)
具の焼き上がりに合わせて
並列で麺を茹で始めるのが最適化だろうけど
今回は、具が1度冷えることのデメリットがないので
1つずつ余裕をもって確定させてく
![](https://assets.st-note.com/img/1696663098605-tON6AdpmLd.jpg?width=1200)
右上は、1匹のイカから出た
食べられないパーツすべて
イカスミが、HUNTER×HUNTERの海苔(断面とかに貼られるやつ)
の役割を果たしてくれて、あまりグロくない
![](https://assets.st-note.com/img/1696663101262-oOXh34jKX9.jpg?width=1200)
シーバスの時と同じく
端材に残ったエネルギーは、卵として次の日に回収される
フンが増えてきたので
早く畑にまかないと……
![](https://assets.st-note.com/img/1696663101079-CzRtg8EZ72.jpg?width=1200)
スパゲッティの具を
第1陣、第2陣、第3陣に分けて考えてる
第1陣は、最初のオリーブオイルの後に炒め始めるもの
第2陣は、麺を混ぜるタイミングで、追加するもの
第3陣は、お皿に盛った後で、上から振りかけるもの
このように分ける理由は、加熱しないと食べられない食材と
生に近い状態で提供したい食材が混じってるため
今回の第2陣は、白イチジクと、残りのバジル
白イチジクは第3陣でも良かったんだけど
少し温めたほうが、甘みが増すと判断した
![](https://assets.st-note.com/img/1696663101646-quEpQISrDv.jpg?width=1200)
個人的に、フィットチーネが最も美味しい麺であり
スパゲッティの王様であり
スパゲッティ・モンスターはフィットチーネだと思う
フライパンでの加熱ぶんを逆算して
茹で時間を1分残して、鍋の火を止める
茹で汁を入れる派と、入れない派があるけど
今回は入れない
カラカラでドライなスパゲッティが
イカスミには合うと思うから
![](https://assets.st-note.com/img/1696663099786-RKUGJkxjL0.jpg?width=1200)
麺がパラパラ分離するように
オリーブオイルをたらす
生でも飲めるものだし、生のアルドイノは超美味いので
加熱した油と混在することを気にしない
そしてェーーーーッ
![](https://assets.st-note.com/img/1696663097524-1nUl6oxZb2.jpg?width=1200)
第3陣として投入するのは
粒の粗い岩塩ッ!
ガリガリしたテクスチャな食感が目的なので
どこ産でもイイけど、これはオーストラリアのピンク色のやつ
![](https://assets.st-note.com/img/1696663117813-Ef0Jp32v5V.jpg?width=1200)
ホットケーキの場合と同じく
黄色い食べ物なので、青い皿に盛る
カプリ島の青さをイメージッ!
ミケーネ文明のタコの土器も
なんか青かったし、人間讃歌ッ!
岩塩は最後にパラパラ振りかける
あらかじめ味見しながら進めてるけど
具の塩分は抑えめにしておき
食べる人が、自身で足し算できるのが良い
味変を可能な回数、という概念も大事にしてる
スパゲッティで最も美味しいのは1口目で
徐々に飽きとの戦いになる
麺 → イカ(海の味)→ 麺 → パプリカ(甘み)
→ 麺 → 偶然オリーブを噛む(エグみ)→ 麺 → 唐辛子の種を噛む(辛味)
→ 麺についた岩塩のかたまりを噛む(食感の変化としょっぱさ)
→ 埋もれてた白イチジクを噛む(甘さが辛さを引き立てるッ)
のように、どんどん変化させていき
気づいたら80%を食べ終わってて
麺より具の割合が高くなってくから
後は、オリーブオイルに溶け込んだ旨味で完走でき
最高の満足感を持ってもらえる、という計算……
このような味変のネタが
三角食べできない、スパゲッティのような1品料理では大切で
フリーザの変身回数くらいあると安心
これを入れとけば美味くなる
ってお手軽な食材として、トマト、アンチョビ、オイルサーディン
などがあるけど、今回はイカが主役なので避けた
釣れてすぐシメたりしなかったけど
超美味しかったので、刺し身とかでないと関係ないのかも……?
小さいイカでも、4皿ぶんくらいのボリュームになった
アオリイカという食材、やばいわ……