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企業はなんのために上場するのか!?

上場企業は多くの 一般投資家から資金を預かって投資し、事業を成長させ、利益を出していかなければなりません。その為メリット・デメリットを確認し、何のために上場するのか考えていこうかと思います!

IPO後の新たな責任とデメリットを確認

上場するということはプライベートの状態からパブリックな状態になることを意味します。
上場企業は多くの投資家から資金を預かって投資し、事業を成長させ、利益を出していかなければなりません。 そしてその利益を株主および社会に還元していかなければなりません。

上場後、会社の株式は、誰でも自由に売買することができます。昨今、IT企業や投資ファンドによる企業買収が盛んに行われており、最近ニュースを賑わせているIT企業や投資ファンド会社の社長が、「上場している株を買って何が悪いのか」と主張するのは、制度上は何も問題はありません。
そして株を購入した株主への利益還元等が不十分な場合、株価は割安になり企業価値が下がり、買収される危険性が高くなります。

積極的な情報開示や体制構築

上場後は取引所や金商法により、様々な情報公開が求まられてきます。いわゆるディスクロージャー制ってやつです!

会社情報や決算情報の開示、定期的なIRなど、会社の外部に積極的に企業内容の開示をしていかなければ、情報の非対応性が生まれ、株価が下がる危険性があります。

外部に情報を開示するということは、同業他社に対しても情報を開示することになりますので、すべてを秘密裏に事業を進めることができなくなります。
また上場準備にも多額のコストや時間がかかり、上場後の開示体制を考えると管理部門などの、いわゆるコストセンターの人員も大幅に増強させ る必要があります。

上場しないという選択肢

上場していなくても大規模な事業を展開している会社もたくさんあります。例えば、リクルート、サントリー、ロッテ、竹中工務店などがそうです。
これらの会社は経営トップの強力なリーダーシップの下、株式市場から資金調達を行わなくても自らの生み出すキャッシュフローを基に事業を拡大しています。また、「上場企業」という肩書きがなくても、これまでのビジネスの実績から十分に社会的信用を得ています。

一方でかつて上場していたものの、自主的に上場を廃止した会社もあります。ワールド、ポッカコーポレーション、フード・エックス・グローブ(旧タリーズコー ヒー)などです。
これらの会社は、一旦は上場したものの、さまざまな理由から上場を廃止しました。自社の株式を自由に売買されることにより買収のリスクを回避する目的や、自社の情報を定期的・適時に開示することや、その開示にかかわるコストを削減する目的、一般株主がいない株主総会にて迅速な経営判断を行う目 的などからです。

このように、上場していなくても大規模な事業を展開している会社もあり、かつて上場していたにもかかわらず、自ら上場を 廃止した会社もあるのです。資金調達の多様化や社会的信用度の向上など、IPOすることは事業拡大への近道とはなりますが、IPOしないと必ずしも事業を拡大できないというものではないということになります。

何のために上場するのか!?

会社の成長のためには、積極的に株式市場から資金調達を行い、調達した資金を事業に投資することにより、上場していない会社より成長のスピードを高めることができます。しかしその一方で、様々なデメリットも生じます。そういう意味からも、IPOは「諸刃の剣」ではあります。

その為、以前IPOコンサルを行っていた際は、クライアントの方と初めて打ち合わせをさせていただく際に、かならず「何のために上場するのですか?」と 確認していました。
はたして社長が、上場に伴うデメリットを理解しているのか、株主や社会に対して重い責任を負う覚悟ができているのか、そしてそもそもIPOする必要があるのか、を確認するためです。

上場すると新たなステークホルダーがたくさん増えます。上場してから「こんなはずではなかった」とならないように、IPOを考えていらっしゃる起業家のみなさんも、今一度何のために上場するのか真剣に考えていただけると幸いです!!!

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