【歌劇】アイーダ
2023年4月19日(水)、初台の新国立劇場で、オペラの『アイーダ』を観ました。メモを残します。
■はじめに
私は、生で「オペラ」をほとんど観たことはありません。時々「オペラ」や「バレエ」が映画館で上映されることがあって、そういう機会に何度か観たことがあるぐらいです。
では、なぜ今回『アイーダ』を観ようと思ったかというと、今から25年ほど前に遡ります。当時大学生だった私は、市民公会堂で、ある大学歌劇団が上演したオペラを観ました。それが『アイーダ』です。私が初めて生で観たオペラで、日本語上演でした。
「もう一度観てみたいな」、「プロの上演・イタリア語上演だとどうなるのかな」、「当時聴いた音楽や台詞が頭に残っているけど、時間の経過とともに記憶の捏造も入っているだろうし、照合してみたいな」など、アレコレ思い、ついに今回行って来ました。
なお、他の方のブログで「新国立劇場といえばアイーダ」と書かれている記事がありました(※リンクがなくてすみません)。新国立劇場での過去の上演記録を見ると、1998年(杮落しでしょうか)、2003年、2008年、2013年、2018年、そして今回の2023年(開場25周年)でした。5年ごとに上演されており、次回は2028年かもしれません!
■今回のアイーダについて
上のリンク先に詳しく書かれているので、作品概要だけ簡単に記載します。
・作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
・台本:アントニーオ・ギスランツォーニ
・指揮:カルロ・リッツィ
・演出・美術・衣裳:フランコ・ゼッフィレッリ
・全四幕でした。
ヴェルディ作曲のオペラで、新国立劇場では初回(1998年)から、ゼッフィレッリの演出だったようです。
◆第一幕
①あらすじ
②感想
もともと舞台の天井が高いこともあり、エジプトの神殿の様子が出ていました。鈍い金色の衣装やセットに、光が差し込む感じで、古代の王国を思い起こさせます。
ストーリーとしては、アイーダ、ラダメス、アムネリスの三角関係が中心にとなります。
私は恋愛ものがあまり得意でないこともあり、三人のラブストーリーよりは、あらすじには書かれていないのですが、エチオピアがエジプトに攻めようとしてくることを伝える「伝令」と、「巫女の長」を筆頭とする巫女たちの踊りに目が行きました。古代の王国で、それぞれ役割を担っており、特に「巫女の長」の舞は美しく神秘的でした。
◆第二幕
①あらすじ
②感想
私はこの幕を観に来たといっても過言ではありません。エチオピア軍に勝利したエジプト軍の「凱旋パレード」が行われます。
冒頭から、子供のエチオピア奴隷の踊りが繰り広げられます。ハープも4台ほど?設置されていました。
「凱旋行進曲」から、戦勝祝いのバレエが続きます。アフリカ的な踊りの要素を残しつつ繰り広げられるバレエを、私はしっかりと観ました。
学生時代に大学の歌劇団の公演を観たときは、最後に「象のハリボテ」が出て来ました(本物の象が出て来ることもあると、過去にインターネットで調べたことがあります)。今回も「象(のハリボテ)は出るのか?」と思って観ましたが、残念ながら出て来ませんでした。(馬は実際の馬が2頭出て来ましたが…。)。演出による違いでしょうか。
でも、本当に華やかで、賑々しい凱旋でした。
◆第三幕
①あらすじ
②感想
夜のナイル河畔ということで、照明が暗くなりました。イタリア語上演ということで、日本語字幕が舞台の両側に出ます。私は、(いつもの如く)字幕を目で追っていたのですが、この辺りから、歌と演奏に耳を傾けるようにしました。
◆第四幕
①あらすじ
②感想
ラダメスの裁判の場面では三度尋問が繰り返されます。神官ランフィスの声が響きます。そして、地上と地下牢のセットの構造は、こうなっているのかと思いました。
さて、観る人によって、どういった立場で舞台を観るかは変わってくると思うのですが、私は、相思相愛の関係にあるアイーダとラダメスではなく、(なんと!)アムネリスの立場から舞台を観てしまうのです。後半にいくにつれて、その見方は強まったように思います。
脇から見るというか、「狂言回し」的な役どころか好きなのかもしれません。自分の人生は自分が主役ですが、この点は、もう少し考えてみたいと思います。
■最後に
エジプトは四大文明発祥の地の一つです。しかし、ヨーロッパ諸国の侵略を受け、宝物などを持ち出された国という側面もあります。ヨーロッパとの関係にも少し考えさせられる面がありました。
そして、ここを一番書きたいのかもしれませんが、25年前とあまり舞台の見方や捉え方は変わっていないように思いました。私の場合、音楽や歌を聴くというよりは、ストーリーや登場人物の感情を追うことに、重点を置きがちなようです。
10年後、20年後に、またいつか観られたらよいなと思いました。次回はまた別の視点を持って。
以上です。
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