十月大歌舞伎(「源氏物語」「加賀鳶」)
2022年10月15日、歌舞伎座に観に行った十月大歌舞伎の第三部のメモと個人的な感想です。
■源氏物語 夕顔の巻
今年の秋は、能の『夕顔』と『野宮』を鑑賞しました。『半蔀』という能は、まだ観たことありません。
今回の歌舞伎も、夕顔だけでなく、六条御息所の関係が描かれる30分の舞踊でした。
<メモ>
・舞台は、夕顔の侘住居(わびずまい)
夕顔が光君から与えられた装束を身に纏って舞を舞う
光君と夕顔の連舞(つれまい)
・六条御息所が出てきて、舞台は清涼殿へ
夕顔には六条御息所は見えない
太鼓の音とともに、夕顔は倒れ、源氏も体が動かなくなる
六条御息所は、檜扇の房で夕顔を打ち、追い詰めて行く
・夕顔の侘住居に戻って
夕顔は息絶え、残されたのは夕顔の小袿(こうちぎ)だけであった。
<感想>
・六条御息所の舞が、怨念なのか悲しさなのか、舞踊についてあまり詳しくない私には、表現を正確に受け止めることは難しかったです。
・源氏物語については、現代語訳を読むなど、もう少し努力してみようと思います。
■盲長屋梅加賀鳶
(「本郷お茶の水土手際」より「加州候表門の場まで」)
『盲長屋梅加賀鳶』は、河竹黙阿弥が、大名火消の加賀鳶と、本郷界隈を担当した八番組の町火消との間の争いを素材に書き下ろした作品(筋書より)。明治十九年(1886)年三月に千歳座で初演。
加賀鳶は火消も兼ねており、江戸のスター。江戸本郷にあるのが、加賀藩前田家江戸上屋敷。近くの菊坂に盲長屋があった。
今回は、按摩の竹垣道玄が関わる部分を上演。
「竹町質見世の場」の強請りの場面では、道玄と松蔵の台詞の応酬、番頭や手代の台詞も含めて、七五調が続きました。黙阿弥ならではと筋書にありました。私は、指を折りながら台詞を聞きましたが、確かに七五調で、流れるようなやり取りでした。
大詰の「加州候表門の場」では、現在の赤門前で道玄と捕手たちとの立ち廻り(?)となります。時間帯は夜、「御用だ!」の声が飛び交い、暗闇の中での探り合いです。こういうのを「世話だんまり」というらしいです。
江戸時代は、今ほど灯も少なく、本当に暗闇であっただろうと思います。また、道玄が、目が見えない(実は見えるが)設定であることにも掛けているのかなと思いました。
最後に、本郷や菊坂、お茶の水の近辺は、過ごしたことのある地域でしたので、個人的に懐かしく見ることが出来ました。
以上です。