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十月大歌舞伎(「祇園恋づくし」「釣女」)

2022年10月15日、歌舞伎座に観に行った十月大歌舞伎の第二部のメモと個人的な感想です。
※もう少し整理が必要な気がしていて、その際は追記します。

■祇園恋づくし
大津屋次郎八と女房おつぎを中村雁治郎さん、指物師留五郎と芸妓染香を松本幸四郎さんが、二役早変わりで演じます。
京都の次郎八と江戸から来た留五郎はぎくしゃくしあって、それぞれ京都と江戸の良さを主張しあいます。本音をはっきりとは言わない京都の人、あけすけにいう江戸の人という設定で、ここら辺が一番面白いところのように思いました。
イヤホンガイドでは、文七を「上方のやさ男」と言っていました。

今回題名にもあるように「恋づくし」ということですが、私はあまり恋愛ものが得意ではありません。しかも、舞台が祇園祭を背景としていて、あまり京都・祇園祭に詳しくない私には、結構難易度が高かったように思います。逆に言えば、京都に詳しい人には、とても楽しかったのではないかと思います。実際、笑い声がたくさんもれていました。松本幸四郎さんも楽しんで演じられているようで、舞台の面白さを感じました。
せっかく、歌舞伎などの伝統芸能に関心を持ったのですから、上方にも、もう少し詳しくなりたいと思います。

祇園祭・山鉾の他、京都三条、高台寺、薬師堂、鴨川、四条河原などの地名もたくさん出てきました。いつか余裕を持って、京都を訪れてみたいです。

■釣女
狂言の「釣針」を素材にしている「松羽目(まつばめ)物」。能舞台をまねて舞台の正面に老松が描かれ、下手には五色の揚幕が降ろされていました。

狂言の「釣針」を観たことがあって、見比べてみたくて鑑賞した部分があります。今回の歌舞伎は、狂言に比べて、作られた時代も新しく、台詞の聞き取りやすく、話や想像が膨らむような感じがしました。他方で、狂言の方は、形というか抽象度・客観性が高いような気がして、狂言の面白さもあるような気がします。

<その他感想>
大名と太郎冠者は仲の良い主従なのだと思います。こうした主従関係に当時の人間関係を見出す部分もあるのではないか、と思いました。
醜女を演じたのは、松本幸四郎さんでした。一部と二部の前半にも出ていて、毎日公演。歌舞伎役者の人たちは、体力が必要だろうなと思いました。

<その他些末なメモ>
・縁結びの神様として名高い西宮の戎(えびす)様。戎様の釣り竿。
・「天にあらば比翼の鳥、地に又あらば連理の枝、必ずそもじは変わるまいぞ」
・上臈は、下げ髪・銀のかんざし・鴇色(ときいろ)の着物でした。
・雌蝶雄蝶も~

以上です。

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