【美術館】ガウディとサグラダ・ファミリア展
2023年9月4日(月)、竹橋の東京国立近代美術館に「ガウディとサグラダ・ファミリア展」を観に行きました。
会期は、2023年6月13日(火)から9月10日(日)までです。人気がある展覧会であったこともあってか、会期後半は20時まで開館していて、私も会社帰りに寄って来ました。なお、東京での展示が終わった後は、滋賀会場、愛知会場と移っていくようです。
最近、noteを更新していなかったのですが、記録に残したいと思います。
■建築(建造物)について
サグラダ・ファミリアは、「海外」にある大聖堂ですが、建造物の美術における位置づけを最初に調べてみました。日本の場合、「文化財」の定義は以下のようです。
私は、美術館に行き始めてさほど経っていないのと、キャパシティがあまり大きくないこともあって、絵画にばかり目が行きがちです。しかし、幅広く「文化財」としてとらえると、建造物も含まれる(しかも、一番初めに挙げられています)のですね。当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、確認してみました。
■「光」について
あまり要領の良いまとめ方にならないかもしれませんが、自分が一番印象に残ったところから記載したいと思います。
サグラダ・ファミリアは、「窓」そして「柱や屋根の隙間」から、多くの光を採り入れているようでした。私は自分で家を建てたことはありませんが、建築において「間取り」と同様に「採光」というのは、重要な要素だろうなと思います。
■ガウディとはどんな人? 歴史・自然・幾何学
ガウディ(1852~1926)は、スペインの建築家ですが、どんな人だったのでしょうか。今回の展覧会では、創造の源泉として「歴史」「自然」「幾何学」がとりあげられていました。
その中で「幾何学」について少し記載します。文章だけで書くと伝わりにくいのですが、「双極放物面」といった、二次元と三次元が入り交ざったような曲面が描かれていました。また、サグラダ・ファミリアの「二重ラセン柱」というのも不思議な印象でした。
ガウディは、直観的に(自分の直観を信じて)創造する部分もあるのでしょうが、自然の中に「法則性」を見出し、建築の構造や図柄に生かしていったように思います。建築家というのは、建物の安定性などもあり、より計画性(論理・法則)を持って、取り組まないといけないのだろうか、と思いました。美術と建築のバランスといいましょうか。
また、展示にも、建造物が「森」のようになっていて、隙間から光が差し込むような記載がありました。「自然」「幾何学」「歴史」が、入り交じり、大きな法則・宇宙があるようにも思います。当時の世界観・宇宙観を表現しているようにも思います。
■キリスト教とイスラム美術
私は、スペインにもサグラダ・ファミリアにも行ったことがないのですが、同建築物が、こんなにもキリスト教の世界を表現しているとは、これまで思いもしませんでした。
東側に「降誕の正面」、西側に「受難の正面」が、表現されています。また、塔もそれぞれ「イエス・キリスト」や「マリア」「使徒」を表しているようです。
他方で、スペインは、800年に渡りイスラム教の影響を受けて来た国で、イスラム美術の要素も多く含まれているようでした。
※追記
会場にはサグラダ・ファミリアの部分的な模型などが多く展示されているゾーンがあり、撮影も自由でした。
■最後に
個人的には、今回「図録」がおすすめのように思いました。ガウディの創造の源泉と建築への応用など、展示パネル等で記載されていた内容が、文字に落とされています。ガウディの伝記などもあるようですが、建造物の写真が多くとりあげられているのも、面白いです。
まだ未完成のサグラダ・ファミリア。コロナの影響で観光客(収入源)が減ったこともあり、完成が少し遅れたようです。しかし、デジタルの技術・復元技術で、工事が進んでいる面もあるようでした。
私が今後スペインに行くことが出来るかは分かりませんが、今回の展示を通じて、「建築」について視野を広げたり、「建築家」の人達がどんなことに気をつけるのかなど思いを馳せたりすることが出来て良かったと思います。
本日は以上です。