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海外に興味ない歴史オタクがフランス留学してインドに転職した話

こんにちは、柿ピーです。

今回は、初対面の人に割とよく聞かれることについて書いていこうと思います。インドに転職した理由は色々あるのですが、とりあえずこのnoteでは何でフランスに留学したの?から、フランス留学→インド転職に至る経緯に焦点を当てて説明していきたいと思います。

私の大学の専攻はフランス語だったのですが、そもそも、フランスにずっと憧れていてフランス語を学んだというわけではありませんでした。
むしろ、日本史、日本文学の方が大好きで外国そのものに興味がないタイプの人間でした。この機会に言わせていただくと、ツイッターのアイコンは伊庭八郎という私が好きな歴史上の人物の錦絵です。この記事を読まれている方で伊庭八郎を好きな方が万が一いらっしゃったら、DMください。


こんな感じの家系なので、私も同じ感じの大人になっていた可能性は充分にあります。

私が外国に興味を持ったのは、高校の修学旅行でイギリスとフランスに行ったことがきっかけだと思います。行く前は本当に外国に興味がなかったたので、嫌々な感じでしたが、行ってしまうと最高で、「外国って…楽しいやん…」と思うようになりました。その後、SHERLOCK というイギリスの海外ドラマにハマり、「日本文学や日本史は自分で趣味として勉強して、外国語は大学で勉強しよう!あと、日本史よりは外国語やるほうが就職先ありそう!」とかなり軽卒に進路を変えました。また、英語専攻の学部にしてしまうと、すでに英語をペラペラに話せる帰国子女たちと競わなければいけないので、比較的スタートラインが同じ人が多いであろう英語以外の言語で受験しました。
結果的には、フランス語と中国語とロシア語の大学に合格したのですが、フランス語の大学は唯一実家から通えたということと、国連公用語でもあるくらいにはメジャーな言語であり、フランス以外の国でも話されている言語であること。あとは修学旅行で行ったパリに留学とかできたら楽しいだろうな…と思い、フランス語専攻がある大学に入学を決めました。なお、ここまでの思考、行動については、「大学は勉強したいことを勉強する場所である」という思想に基づいているので、将来のキャリアプランなどはほとんど頭にありませんでした。

そんなわけで、おそらく他の学生よりは雑な志望動機で大学入学したため、特にフランス大好き女の子というわけではなかったのですが、これはある意味アドバンテージだったのかもしれません。

パリ症候群という言葉があります。

パリ症候群(パリしょうこうぐん、仏: syndrome de Paris, 英: Paris syndrome)とは、異文化における適応障害の一種であり、カルチャーショックの一種。「流行の発信地」などといったイメージに憧れてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い症状を訴える状態を指す精神医学用語である。「憧れを抱いてパリに住む日本人を襲う適応障害の一種。日常生活のストレスが高じ、妄想や幻覚、自律神経の失調や抑うつ症状をまねく」ともいう。

説明ありがとうWikipedia先輩。
フランスは、フランスが好きで来た人ほど早く帰国することになり、なりゆきでフランスに来た人ほど長期滞在する傾向がある、と現地で在住歴が長い方に聞いたことがあるのですが、実際フランスは、美しいだけの夢の国ではありません。様々な社会問題を抱えている国です。そんなところで、私はすごく大変な留学生活を送りました。しかし、元々フランスに対してはかなりフラットな印象しか持っていなかったおかげか、サバイバル生活は二度としたくはありませんが、フランスやパリを嫌いになるということはありませんでした。

本当は留学中に就職を決めて帰国してやるぜ!と思っていたのですが、フランスは失業率が高い国です。つまり、フランス人でも仕事がないのです。そんな中で、フランス語も完璧じゃなく、大した職歴も学歴もコネもない留学生がサクッと仕事を見つけるのはほぼ不可能でした。そもそも、フランスの学生が就職するには半年〜1年程度のスタージュ(インターン)を経て仕事ぶりを見てから、正社員雇用のようなパターンが多いのですが、その時点で1年(正確には10ヶ月くらい)しかフランスにいない私は時間の制限があり、かなり厳しかったのでした。そして、それに気づいたのは帰国数ヶ月前…。実は帰国3ヶ月くらい前にインターンのお話もいただき、めちゃくちゃ喜んだのですが、やはり半年くらいはいてほしいとのことで、そうすると卒業できなくなってしまうので、泣く泣く諦めました。

さて、そんなフランス留学から帰るとき、考えたことがいくつかあります。

まず、新卒では日本で働こう、ということです。日本の新卒一括採用は賛否両論ありますが、実務経験のない若者がいっせーの!で仕事探しをして、企業側もそんな若者たちをポテンシャルで採用してくれる、というのはフランス帰りの私にとってはとてもすごい話に聞こえました。それと、私の性格上、新卒海外就職だと就職後にトラブルがあったりしんどくなったときに「日本の新卒一括採用制度利用してぬくぬく暮らしたかったな〜〜〜」と考えてうじうじする可能性があったので、先に日本社会の現実を見せておこうと思いました。また、いつかは海外に行きたいな…と思っていたので、辞めるときにあと腐れのない会社がいいな、と思いました。というのは、内定をもらえるかもらえないかは別として、(たぶんもらえない)もし、大手企業で働くと、辞めるときに絶対躊躇ってしまうし、周りにも止められそうなので、そこそこの中小企業とかがいいな、と思いました。

また、フランスでの経験を経て、次に海外で働くならこんな国がいいな、と思いました。

・(外国人でも)仕事がある
・ビザが出やすい
・物価が高くない
・英語圏

軽率に東南アジアかな、と思い最初はマレーシアで転職活動を検討したのですが、ちょうどビザ基準が厳しくなっている最中らしく、転職活動時点で職歴3年未満の私が応募できる求人は限られていました。

日本の社畜事情はだいたい分かったし、あと1年半日本で社畜生活を送るメリットってあるかな…と考えていたところで、今、インド転職がアツいらしい…という情報を手に入れ、転職エージェントさんに駆け込んだのがインド転職のきっかけです。インドは私が欲しかった条件を満たしていたし、生活環境が東南アジアと比べてハードということで、私でもたくさん求人に応募できました。あとは他の東南アジアの求人より全体的に福利厚生がよかったです。治安?パリよりはマシやろ?ということでインドは調べれば調べるほどいいな…と思うようになりました。

実際、転職して3ヶ月くらい経ちますが、あらかじめ周りから脅されていたよりは、かなり楽しく過ごせています。インド人が本当に毎日カレーを食べてるのにはびっくりしましたが、フランス留学時代は具を買うお金もなく、毎日素パスタ(塩でパスタを茹でただけの創作メニュー)を食べていた経験が生かされたのか、全然苦に感じていません。カレーは毎日具が違いますからね。お昼は会社の食堂で毎日カレー食べてますし、なんなら夜もZOMATOでバターチキンカレーを頼んだりしています。美味しいです。

まとめると、元々フランスにこだわっていたわけでもなかったので、フランス以外で住むことや働くことには抵抗などはありませんでした。あとは、自分なりにトライアンドエラーを繰り返していたらインドに辿り着いたといった所感です。

また、歴史オタクから海外目指してよかったなと思うことは、元々海外が好きな人、興味ある人だと逆に日本の文学や歴史に詳しくなかったり興味がなかったりする人って結構多いのですが、外国人で日本に興味がある人はそのあたりに興味があって話しかけられたりする機会がよくあります。あとアニメと漫画。私はそこをカバーしていたので、友達作りのときに共通の話題ができて話しやすかったです。オタクはオタクと仲良くなるのが早いのは世界共通でした。

よく、いつかはフランスに行きたいと思う?と聞かれるのですが、いい仕事やオファーがあれば全然行きます。でも、フランスに戻ることにこだわらなくてもいいんじゃないかな、と思ってもいます。たぶん私は性格的にはどこの国でも生きていけるタイプの人間だと思っているので、これからも国にこだわることなく、よりよい仕事、よりよいキャリアを求めて彷徨い続けるのかもしれません。ただ、今、インドを楽しく過ごせているのは間違いなく過酷なパリ留学のおかげなので、そちらもできれば単なる思い出話として記事にできたらいいなと思っています。







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