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松屋「牛焼肉定食」100円引きでパニック!

ええ、行ってきましたよ、松屋の「牛焼肉定食」100円引き。

私はなんか誤解していたようだ。

私が食べていた「牛焼肉定食」が安くなるのではなく、従来の「牛焼肉定食」の販売が終わって、新しい「牛焼肉定食」が出た、と。

その新商品お披露目のためのお試し価格、という趣旨なのね。

老人は複雑なことが理解できない。こういう複雑な情報はすぐに呑み込めないんじゃ(急に老人言葉)。


とにかく行ってきたよ、松屋。期間限定だからね。老人はいつ死ぬかわからんから、いつでも期間限定じゃ。くたばる前に行かねばと。

わしが松屋に通っていたのは現役時代で、もうずっと昔じゃ。出勤中、駅の近くの松屋で、朝食をとることが多かった。

なんか最初の券売機から、当時のと違って戸惑った。

こんな画面が出てきた。



松屋の注文画面


これは若い人に知って欲しいのだが、老人は、選択肢から選ぶのが苦手だ。

もう脳が衰え始めているから、認知力も決断力も低い。アワアワしてしまう。

まして、最近の言葉が混じっていると、脳がパニックを起こす。

「鬼おろし? のりキム?」

そんな語彙は昭和にはなかったぞ。

自動販売機や券売機前で、固まっている老人をよく見ると思うが、こういう場合に固まるのじゃ。

「ああ、せからしか!」

と「プレーン」を押す。

「プレーン」でいいのか、いまいち自信がないままに。

(こんな風に老人はブレーキの代わりにアクセルを踏むのだ。これは老人にならないとわからない)


すると、次の画面に遷移する。


松屋の券売機画面


ここで、私はマジにパニクってしまった。

まず飯の量を「並盛」「大盛」「特盛」「小盛」の4種類から選ばなけれならない。

だから老人は選択肢が多いと困るんだって。

昭和の時代は「大盛」くらいしかなかったんだから。今の人は選択肢が多いのがサービスだと思っているけど、老人には地獄だ。

しかも画面の写真は全部同じようだ。量の違いがわからない。よく見ると、全部同じ値段だ。なぜ、飯の量が違うのに同じ値段なんだ。

でもここであまり考える時間がない。同じ値段ならカロリーが多い方が得なのでは。そうだ、そうに違いないーーと貧乏老人の衰えた脳が忙しく回り始める。

では「特盛」にすべきか。でも「特盛」という言葉の迫力に怯える。未体験の何かが待っているかもしれない。老人は未体験の何かが苦手だ。

さらに、画面下の「ロカボ」というのが目に入ってしまった。

なんだ「ロカボ」って?

ロカボ野菜? ロカボ豆腐? そんなの、昔の松屋にはなかったぞ。

カタカナの「ロ」ではなく、漢字の「口」なのかも知れない。老眼だから自信がない。「くちカボ」か? ますますわからん。

まったく手がかりのない言葉だ。

もしかして「ボカロ」と関係があるのかと思った。ボカロなら知っている。ボーカロイドだ。初音ミクだ。ギリギリ知っている。ミックミックにしてくれるのか。豆腐がミックミックか。わけわからない。

「ロカボ」とは何かを知るために、「ロカボ野菜」を押すべきか、とちょっと思ったが、後ろに、次の客が待っている。もうこれ以上、時間を浪費できない。

「ああ、せからしかー!」

と、目をつぶって一番最初のを押した。「並盛」になってしまった。


並盛プレーン

昔は、おろしが標準で付いてきたんじゃなかったかな。

何となく物足りない感じ。

肉の量はーーそうだ、昔は羽振りがよかったから、いつも「ダブル焼肉」を頼んでいた。だから肉の量がもっと多かった。毎日それを朝飯にしてたから、健康診断で数字が引っかかったけど・・

昔は良かったなあ。

老人は追憶にひたりながら100円引きを食べた。

昔は、もう少し油ギトギトだった気がする。肉の色も白っぽくて・・新作が黒っぽいのは胡椒を増やしたのか。

昔同様、ポン酢でいただく。

普通においしかったけどね。

今度は豚汁30%OFFというのをやるらしい。

また行こう。また行ってパニックになろう。



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