耳にこびりつく「洗衣歌」という魔曲 *習近平夫人の「魔唱」付き
チベット族の人気ダンサー「ヨンジ(雍吉)」が踊っている、この曲なんだけど。
チベットダンスの動画を見ると、よく流れている曲。
何度も聴くうちに、耳にこびりつく「イヤーワーム」のようになった。中毒性のある曲だと思う。
「洗衣歌(シーイーク)」という曲だと知ったのは、つい最近だ。
1964年に作られた革命歌である。中国の経典歌曲、いわゆるスタンダード名曲、クラシックだ。
以下、ネット上にあった、ほぼ唯一の日本語解説文から。
「洗衣歌(洗濯の歌)」The Laundry Song
1964年に作られた歌である。舞踏の「洗衣歌」(洗濯の歌)の主題歌である。10年以上かけて作られた歌だ。チベットの「一面进军,一面修路」(進軍道路補修)闘争のなか、封建制からの解放を目指していた解放軍とチベット族の人民は団結して水魚の交わりを得た。作曲者自身がラサで従軍中、チベットの人民に親切にしてもらったことを覚えており、その様子を描いたのが本歌である。チベット族の民謡の要素を取り入れつつ新しい側面も創造した歌であり、快楽と激情が織り込まれていると高く評価された歌である。
この解説にあるように、中国人民解放軍とチベット族の絆がテーマの曲だ。
(ここではいわゆる「チベット問題」は忘れる。この曲に中国政府のイデオロギーとプロパガンダが含まれているのは明らかで、それゆえ「魔曲」と呼ぶのだが、ここでは音楽の側面のみ問題にしたいのです)
以下のような歌詞を歌っている。
我らが立ち上がるのを手伝ったのは誰だ?
我らを解放させたのは誰だ?
それは親しき解放軍
それは恩人の共産党
軍と民はまさに一つの家族
手伝おう我らの親しき人が衣服を洗うのを。
軍と民はまさに一つの家族
手伝おう我らの親しき人が衣服を洗うのを。
ネットで「洗衣歌」で探すと、非常に多くの中華系の動画が引っかかってくる。
とても全部は見られないが、印象に残ったものを以下にまとめた。
ただし、もし全部見る人がいたとしたら、この魔曲が半日は耳にこびりつくので、注意が必要だ。
袖がメチャ長いチベット族の民族衣装で踊って歌う「洗衣歌」↓
中国のファーストレディ、習近平夫人の彭麗媛(ほう れいえん、ポン・リーユアン)が歌う「洗衣歌」。もともとは一世を風靡したスター歌手。さすがの名唱↓
チベット族出身の「alan 阿蘭」(坂本龍一らのプロデュースでエイベックスからデビューしたが、いまは中国で活動している)がライブで歌う「洗衣歌」(2020)↓
「洗衣歌」歌唱指導動画↓
「洗衣歌」が生まれたチベットの「進軍道路補修闘争」を描いたらしい映像によるカラオケ版↓
「DJ版」?
舞台版(2024.3.13追加)
「チベットダンスの世界」については、また別に書きたい。
なお、「洗衣歌」の作曲家、羅念一は、今年の1月2日、90歳で亡くなった。