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【疑惑】NetflixがドキュメンタリーでAIを不正使用か?
わたしもレビューを書いたNetflixの新作ドキュメンタリー「ジェニファーのしたこと」で、「不正疑惑」が持ち上がっている。
ドキュメンタリー内で使われている写真が、AIで加工されているのではないか、という疑惑だ。
「ネットフリックスの犯罪実録『ジェニファーのしたこと』がAI使用で物議」Why the Netflix true crime doc ‘What Jennifer Did’ is at the center of an AI controversy(Today.com 2024/4/22)
「ジェニファーのしたこと」は人気作だけに、AI疑惑はすぐネットの話題になった。
具体的な写真については上の記事を見てもらうとして、問題になったのは「ジェニファーが異常に長い指でピースサインをしている写真」と、「歯並びが不自然な写真」の2枚だ。
とくに「異常に長い指」については、ドキュメンタリーのなかで、ある意味を持つ。ジェニファーが、賊に腕を縛られたまま、腰のポケットから携帯を取り出せるかを検証するシーンがあり、指が長いとジェニファーに有利だからだ。
ドキュメンタリーと銘打つかぎり、「物証」に手を加えられたら、真実性が根本から崩れる。
こんな小細工をするドキュメンタリーなど信用できない、という声がネットに渦巻いた。
しかし、記事によれば、「ジェニファーのしたこと」のプロデューサーは「プライバシー保護以外の目的で写真を加工することはない」と疑惑を否定している。
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だが、記事にもあるとおり、ネットフリックスのドキュメンタリーは、その他の点でもいろいろ怪しい。
わたしも、最近「ラバー、ストーカー、キラー」で指摘したが、面白くするために「語り口(ナラティブ)」を操作しすぎるきらいがある。
そういえば、2021年の「セシルホテル失踪事件」のドキュメンタリーでも、語り口に不正があると作家の七尾与志が指摘していた。
そもそも、ネットフリックスが最初に社会的注目を浴びたのは「殺人者への道」(2015)のようなドキュメンタリーだった。
その後もネットフリックスは、ドキュメンタリーを量産している。
予算が少なくて済む面があるのだろう。そのため、安易な製作姿勢が蔓延している可能性はある。
話を無用に引き延ばすのがよくある手口だ。
ネットフリックスのオリジナル作品は、どれもそこそこ面白いのだが、ドキュメンタリーをその基準で「面白く」するために、写真をAIで加工するくらいは、やってるかもしれない、と思わせる。
*(余談)
まあ、ドキュメンタリーに不正はつきもので、疑えば、ほとんどすべてのドキュメンタリーが疑わしい。
とくに、政治的偏向で、日本の戦争を醜く描いたり、美しく描いたり、安倍晋三を悪魔的に描いたり、英雄的に描いたり、天皇を・・と、かならずなんらかの「角度」が疑われる。
わたしは最近では、芥川賞作家・火野葦平のドキュメンタリーの「偏向」を指摘した。
「面白くする」ための不正は、まだいい方で、政治的イデオロギーによるそれの方が恐ろしい。
「ドキュメンタリー」と「プロパガンダ」のちがいは、実際はごくわずかだ。
ネットフリックスのドキュメンタリーもダメだが、NHKのドキュメンタリーだって信じちゃダメですよ。
<参考>