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16歳の恋人ーーリンゴ・スター「You're Sixteen」はBANすべきか
慶大特任准教授の若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)氏が、大学院生時代、16歳の高校2年生と同棲し、彼女が自殺未遂していた、という文春記事が25日に出た。
若新氏は、さっそくSNSで反省の弁を述べた。
若新氏は、25日、自身のX(旧ツイッター)を更新。自身に関する一部報道を受け、謝罪と反省をつづった。 若新氏は「本日発売の週刊誌で、約15年前、僕が大学院生だった頃、当時16歳の高校2年生と交際していたという報道がありました」と言及。当時16歳だったA子さんと交際していたことは「事実です」と認め、「交際相手だったA子さん、当時悩ませたり傷つけたりしてしまったこと、さらに今回の記事でもつらい思いをさせてしまったこと、とても申し訳なく思います。本当にごめんなさい。記事には事実と異なる部分もありますが、当時をふりかえり、自分の人間的な未熟さや至らなさを反省しています」とつづった。
(日刊スポーツ1月25日)
わたしは、この人の15年前のことをどうこう言うつもりはないのだが(というか、この人、わたし知らない)、べつのことに思いが飛んだ。
リンゴ・スターの「You're Sixteen」のことだ。
あの曲、最近聞かないけど、放送禁止になっていないか。
少し前から気になっていたのだ。
この件は以前も少し書いたことあるけど。
「You're Sixteen」は、1973年のビルボードNo1ヒットだ。
当時、わたしは中学生。日本でも大いに流行ったことを覚えている。
そして当時、リンゴ・スターは33歳。
33歳の男が、ティーンエイジャーを恋人にする歌を歌った。
「お前は16歳。美しいお前はおれのもの。
おれの恋人、おれのペット。
キスをしたら、もう止まらない」
最後のほうに、「I shouldn’t love you, but I do(よくないけれど、恋してしまう)」という歌詞があったが、公式PVらしきものでは、その前で切れている。
Ringo Starr - You're Sixteen You're Beautiful (And You're Mine)
さいわい、放送禁止や発売禁止にはなっていないが、物議はかもしているようだ。
現在、この曲には、「気味が悪い creepy」「キモい gross」といった言葉がよく使われる。
もともとは1960年代のロカビリー歌手、ジョニー・バーネットの曲。
若者が歌うぶんには、まだよかったが、30代の男が歌うと、「キモさ」が増す。
Wikipediaにも、以下のような評価が書かれている。
「You're Sixteenをめぐり、10代を性的対象にすることを非難する風潮がある」
Some retrospective commentary on "You're Sixteen" condemned it for sexualizing a teenager.
「たぶん当時の人は、このクソみたいな曲をカワイイと思ったのだろうが、いまではカワイくないし、二度とこの曲は聞かなくてかまわない」
Maybe people thought this shit was cute then, but it's not cute now, and I won't be sad if I never hear 'You're Sixteen' again."
同じ1970年代ーーウディ・アレンの1979年の映画「マンハッタン」は、ウディ・アレン演じる42歳の中年男が17歳の高校生を恋人にする話だった。
この映画は、彼の最高傑作だと評価されてきたが、現在は同様に問題視されている。ウディ・アレンが養女を性的対象にした疑惑があったからなおさらだ。
ビートルズの「I Saw Her Standing There」の「彼女はまだ17歳」という歌詞を、80歳のポール・マッカートニーが歌っても、まだ問題視されていないと思うけど(たぶん)。
過去の名作が現在のポリコレで裁かれないことを願うが、「キモさ」の境界が厳しくなっている昨今である。