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「ニュートン」の左傾化 朝日が買収した理由

腑に落ちない買収


朝日新聞グループ(朝日新聞出版)が「ニュートン」を買収した、というのは、いろんな意味で腑に落ちない話だった。


朝日新聞出版、Newtonを子会社化
朝日新聞出版は10月5日、科学雑誌「Newton」を発行するニュートンプレスの全株式を取得し、子会社化したと発表した。Newtonの編集方針は維持しつつ、科学に関心を持つ読者向けの商品やサービスの開発を両社で協力して進める。
(ITmedia 10月6日)


科学雑誌「Newton」が朝日新聞グループに買収。その歴史と「事件」を振り返る(Business Insider 10月6日)


だって、朝日は、同じ科学雑誌の「科学朝日」を2000年に休刊している。

科学雑誌は売れないことを知っているはずだし、つぶしたジャンルを20年で復活させるのは経営としてちぐはぐだ。

科学雑誌というジャンルでは、学研の「科学」も休刊し、「ニュートン」の部数もジリ貧だった。

経営不振の「ニュートン」は、2005年に社長が出資法違反で逮捕され、いったんは事実上つぶれている。

そんな媒体をなぜ今さら買うのか。

朝日新聞や朝日新聞出版にそんな余裕があるのか。「週刊朝日」を休刊にしたばかりだ。ジャニーズスキャンダルも打撃だろう。新聞本体もいい話を聞かない。

「まあ、ヤキが回ったということだな」

と思った。

私の傑作小説「平成の亡霊」をnote創作大賞で落とした朝日新聞出版なぞ、いつつぶれてもかまわない。

「ニュートン」買収の話は、それでいったん忘れていた。


朝日のニオイ


数日後、私は近所の図書館で、偶然ニュートンが去年出版した「人類学大図鑑」を手に取った。


「人類学大図鑑」(ニュートンプレス、2022)


私は人類学が好きで、人類学の最新の入門書を探していたのだ。

ニュートンの出版物って、久しぶりに手に取ったな、と思った。


「ニュートン」は1981年創刊。竹内均編集長時代は、私もけっこう買っていた。

しかし、いつしか「日経サイエンス」や「ナショナルジオグラフィック」(日本版1995年創刊)のほうを買うようになった。どちらも版元は日経グループだ。

もともと「ニュートン」は、「ナショジオ」を手本に作られた雑誌だ。本家が日本で展開するようになり、ニセモノの影が薄くなったのは仕方ない。

それに、「日経サイエンス」や「ナショジオ」のほうが、「ニュートン」より、専門的で高級な内容だと感じていた。

久々に手に取った「ニュートン」の「人類学大図鑑」を開いても、同じような感想だ。内容が浅く、ほんとの入門者向けという感じ。編集も凡庸で才気を感じない。昔よりも薄くなった印象。

これで3000円は高いな、と思う。

とはいえ、アナメンシス猿人とかアファール猿人とかの復元された愛嬌ある顔を見ていくだけで、楽しくはある。


ページをめくっていって、驚いたのは、図鑑の最後のほうだ。

この「人類学大図鑑」は、「SDGs」の話で終わるのである。



なんで人類学の話が「SDGs」の話になるのか。

なんで「人や国の不平等をなくそう」という説教で終わるのか。

におう・・

朝日クサイ。

それで、朝日のニュートン買収が、なんとなく腑に落ちたわけである。



「ニュートン」は、しばらく見ないうちに、左傾化してたのね。

左傾化するとつぶれる、というのは出版界の法則だ。

経営が傾くと、左翼が職場に入ってきて、さらに左傾化する、の法則。

それで、むしろ朝日に買われる条件がそろった、というか。


たしかにこの「人類学大図鑑」なんかを見ると、

「そうか、科学を通じて、左翼イデオロギーを広められる。朝日主義を注入できる」

と気づく。

もう、政治論や社会論を通じては、誰もサヨクの説教を聞いてくれない。

でも、「科学」の話の延長なら、イデオロギー注入が容易かもしれない。


「教育」に賭ける朝日・毎日



朝日新聞と毎日新聞は、最後の希望を「教育」分野に託している。

もう世のまともな大人は朝日や毎日のゴタクなど聞かない。

このまま団塊世代が死んでいくと、部数が壊滅する。

だから今のうち、「新聞は子供の教育にいい」と世の中をだまくらかし、子育て家庭や教育現場に新聞を買わせ、何も知らない子供を洗脳して、末永く生き延びようとしている。

受験情報ふくめ、「教育」が最後の砦だ。


最近も、こんな朝日のチラシが郵便受けに入っていた。



みなさんご存じのとおり、朝日はこんな宣伝ばかりしている。

子供の脳みそを奪って将来の糧にしたい。


朝日の記事が大学入試に取り上げられがちなのは、要するに大学もサヨクだからである。同じ思想の仲間だからだ。

左派系メディアと大学のメンバーは、同じ「成分」で出来ている。支持政党を聞けば、どちらも世間より極端に左寄りの指向を示すだろう。

その大学に入る準備のため、中学高校の入試でも、同じ赤い記事を使わざるをえない。

子供には、ぜひ大学の左翼教員になってほしい。そして日本学術会議に入って日本の弱体化に貢献してほしい、と思うなら、ぜひ朝日新聞を読ませるべきだ。

そうでなければ、ろくな大人にならないから、左派新聞は子供の目から遠ざけるべきである。


だいたい、新聞を、教材のように子供に読ませるなど、カルトもいいところだ。どこの世界にそんな売り方をしている新聞があるだろう。朝日は、天声人語を読者に「写経」させたりしていて、マジにカルト。

だが、左派新聞は、なんとしても子供の世界に入り込みたい。

教育現場でも、自治体でも、いま強いのは、人権・福祉・環境分野だ。マスコミと人権派におどされた政治家が、せっせと法律をつくって、これらの分野の利権を強化している。

朝日としても、科学という角度から、教育現場と自治体の、この「人権・福祉・環境」の利権を押さえたい。家計と公金の両方をチューチューしたい。

「ニュートン」という媒体を、その先兵にしたい。「ニュートン」の名を使えば、中立を装える。

そう考えると、朝日グループの戦略のなかで、たしかに「ニュートン」に役割があるように感じる。


まあ、うがちすぎかもしれないけどね。私はそう考えたわけだ。

これから、ITとか、人工知能とか、気候変動とか、ジェンダーとかの話題を通じ、子供たちに「科学」を装った左翼イデオロギーの注入が始まると思う。

考えてみると、それは科学的社会主義ーーマルクス主義への先祖返りだ。戦後の朝日・毎日の心の故郷みたいな思想である。

世の大人たちは警戒したほうがよい。







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