ジャニー「性加害」、安倍「暗殺」はいつ映画化される?
今年の振り返り、つーことで、真っ先に思い浮かぶのは、ジャニー喜多川「性加害」ですけどね。
しかし、もう世間的に、忘れられつつない?
これは、マスコミが忘れさせようとしている。そうにちがいない。
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元出版人として、ジャニー事件で思ったのは、
「誰がこれをノンフィクション作品に仕上げるのか」
ですね。
わたしだったら、ノンフィクションライターに依頼する。
「ジャニー喜多川性加害全記録」
これは、各国に翻訳され、世界的に売れます。大儲けできる。
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そのさいに忘れず描いてほしいのは、日本のマスコミの醜さですね。
これまでさんざん書いてきたように、とくに新聞社系週刊誌の醜さ。
週刊朝日、サンデー毎日、アエラ。あのへんは、左翼記者の最後の牙城で、ここ10年はアベガーに血道を上げてきた。
それでは売れなくなるばかりなので、赤字を埋めたのがジャニーズタレントを使った「表紙商売」ですね。
中身のアベガーでは売れないから、ジャニーズの表紙で売って、帳尻を合わせていた。ジャニーズに文句が言えるはずがない。
だから週刊朝日やサンデー毎日は、安倍暗殺を導いただけでなく、ジャニー性加害隠ぺいにも貢献した。
週刊朝日は廃刊になったが、サンデー毎日やアエラはまだ営業中だというから、恥を知らない。
「ジャニ担」だけの問題ではなく、会社ぐるみの悪なんです。
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まあ、そういうことふくめて、「性加害」ノンフィクションには書いてほしい。
さしあたって、適任なのは文春の記者か。
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人間には、なぜ「意識」があるのか。
農耕とともに「記憶」が必要になり、「記憶」のために「物語」が必要になり、「物語」の記銘のために「意識」が必要になった。
要は、記憶するためには、「物語」が必要なのだ。ばらばらの記憶は覚えにくいが、物語記憶は覚えやすい。「私」というのも物語記憶である。
ジャニーズ事件も、物語化しないと、人びとの記憶に残らず、歴史に残らない。
赤穂浪士なんかもそうだけど、人びとは、「これは歴史に残さねば」と思えば、すぐ物語化する。
逆に、記憶に残されたくないほうは、「物語化」を阻止する。
早く、ジャニーズ事件をノンフィクションにまとめて、物語化しないといけない。
ちゃんとしたノンフィクションがまとまれば、次はドラマ化、映画化だ。
ジャニーズ事件が映画になるのは、いつのことだろうか。
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昨年の安倍元首相暗殺事件も、ノンフィクション化が必要だ。
それを思ったのは、きのう、たまたま1981年のレーガン米大統領狙撃事件のドラマを見たからですね。
The Day Reagan Was Shot(2001) *オリバー・ストーン製作のTVドラマ。リチャード・ドレイフェスが、レーガン入院中にホワイトハウスを支配しようとするヘイグ国務長官を演じる
それ以外にも、この事件には、ドキュメンタリーや検証番組が多数残されています。
私はもちろん、この事件はリアルタイムでニュースを見たから覚えています。
レーガンは、「撃たれたのに死ななかった史上初の米大統領」でした。
だけど、弾が脇から入って肺を貫き、心臓のそばにとどまっていた。うまく摘出されないと命の危険があった。
レーガンは、ワシントンのホテルで講演して、ホテルを出たところで撃たれた。
大統領を乗せたリムジンは、いったんホワイトハウスに退却しようとしたけど、大統領の出血を見て、急きょ行き先を、市中のワシントン大学付属病院に変更する。
いきなり大統領がかつぎこまれた病院はびっくりします。
当時、病院には、普通に患者やスタッフがたくさんいました。
このときの模様は、多数の証言によって、完璧に再現されています。
70歳の大統領は、リムジンを降りてから、支える手をこばんで、自分の足で歩いて病院に入ろうとした。
自分は元気だと見せる政治的な演技です。
しかし、病院に入ったとたん、くずれ落ちる。
そのシーンは、ドラマや再現ドキュメントで必ず描かれます。
そして、病院のベッドに寝かされてからは、レーガンは得意のジョークを連発する。
有名なのは、執刀医が「これから摘出手術のために麻酔をかけます」とレーガンに声をかけたとき、大統領は手術チームに、
「君たちがみんな共和党員であることを願うよ(I hope you are all Republicans)」
と言って、チームを笑わせた。
執刀医(ドクター・ジョセフ・ジョルダーノ)は、民主党員だったが、
「大統領閣下、今日はみんな共和党員ですよ(Today, Mr. President , we're all Republicans)」
と返した。
このやり取りも、必ず取り上げられる。アメリカ人の好きなエピソードだ。
それはともかく、安倍晋三暗殺事件も、突発的に起こり、周囲は緊急対応を強いられた。
安倍がかつぎこまれた病院(奈良県立医科大付属病院)でも、そうとうの騒動になったはずだ。
そこにも「ドラマ」があったはず。
新聞などで断片的に記された記録を、証言で肉付けして再構成し、ノンフィクション化し、ドラマ化し、映画化してほしい。
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しかし、ある事件が起こり、それがノンフィクション化され、映画化されるには、通常、それなりの時間がかかる。
今年、2016年の相模原障害者施設殺傷事件を描いた映画「月」が公開された。7年かかったが、それでも早いほうでしょうね。
1993年の愛犬家連続殺人事件が「冷たい熱帯魚」という映画になったのは2010年。17年かかった。
1968年の金嬉老事件がビートたけし主演でドラマ化されたのは1991年。23年かかっている。
ほかにも、まだドラマ・映画化されていない重大事件は、いくつもありますね。
北九州の監禁殺人事件は、さまざまの作品のモチーフにはなっているけど、そのものを正確に描いたドラマはまだないのでは。あと、尼崎事件とか秋葉原通り魔事件とか・・。
上のレーガン狙撃事件のドラマも、事件から20年たって公開されました。
ジャニー事件も、安倍暗殺事件も、そのくらいかかるかもしれない。
しかし、20年もかけられると、わたしはもう生きていない。
せめて10年以内には公開してほしい。
あと、オウム真理教事件を映画化するなら、原作として私の「平成の亡霊」も検討していただきたい。