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火の用心

猪口孝さん、邦子さん宅の火事のショックがまだ消えない。気持ちが落ち込んでいる。

現場で発見された遺体の確認が遅れているようだ。

確認できるのは邦子さんなど遺族しかいない。ショックを考えれば遅れているのは仕方ないかもしれない。


ただ、報道を見ていると、なぜ現場の消火が遅れたのか、といった話題ばかりで、猪口邦子さんの状態を伝えるものがない。

気を遣うのはわかるが、相手が国会議員だから忖度しているとすれば問題だ。一般人なら凸撃するくせに、と言われないようにしてほしい。

テレビで紹介された一般人撮影の動画で、炎の中で踊っているような人影が映っているのもSNSで話題になっていた。

時間がかかっても、出火原因とも、正確に公平に報じてほしいものだ。


私もマンション住まいなので、あの焼け方にはショックを受けた。

マンションの最上階だから、放火は考えにくいのでは。

夕食時だったので、調理中の出火では、という観測があった。(遺体が台所近くに倒れていたという情報)

季節的に、暖房器具はどうなっていたのか、そのあたりの情報もほしい。(追記:消防署によるとストーブは設置されてなかったとのこと)


小谷野敦さんがXで、自民党の政治家、増田甲子七(ますだ・かねしち)の焼死を思い出したと書いていた。

吉田茂の側近で、佐藤栄作内閣の防衛庁長官などを務めた増田は、政界引退後の1985年12月21日、自宅が火事になり焼死した。享年87歳。

増田は酒も煙草もやらないクリスチャンだった。出火原因は、電気ストーブと布団が接触して発火したことによるとされる(wiki「増田甲子七」)。


増田甲子七



私は、劇作家、評論家の榎本滋民さんの焼死を思い出した。

落語番組の解説でもお馴染みだった榎本さんは、2003年1月16日、自宅の火事で焼死した。72歳だった。


劇作家の榎本滋民さん焼死

16日午後7時半ごろ、東京都調布市柴崎の劇作家榎本滋民さん(72)方から出火、木造2階建て延べ約120平方メートルを全焼、焼け跡から榎本さんが焼死体で見つかった。
 警視庁調布署の調べによると、榎本さんは1階居間で発見されており、出火元は居間のガスストーブの周りとみられている。
(四国新聞 2003/1/17)


「TBS落語特選」で解説する榎本滋民(右)とアナウンサーの山本文郎


どちらも、冬の、暖房器具が原因の火事だった。

また、命に代えられないとはいえ、榎本さんの原稿類も、猪口さん夫妻の蔵書や資料も、火事で焼失した。(紙類の多さで燃焼が進んだとも言われる)

無理に関連づけることはないが、火事で亡くなった、この互いにまったく無関係な方々、みんな生真面目そうな方で、それだけに老年になっての不幸が気の毒に思われる。

みなさん、とくに老人のみなさん、火の用心です。


<参考>


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