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CoSTEP志望理由

2016年から1年間、北海道大学で科学コミュニケーションを学ぶプログラムを受講しました。名前はCoSTEP(Communication in Science & Technology Education & Research Program)。講義と実践を通して、科学コミュニケーション体得の入り口に立つことができるプログラムです。
(詳細はこちら。:http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/costep/)

CoSTEPを受講する際に、志望理由書と科学コミュニケーションにおける問題を小論文にまとめました。これ自体が科学コミュニケーションのはじまりで、1年のプログラムを自分なりに方向付けるものになっていたと思います。

(当時、科学と文化のはざまのようなところで引き裂かれた思いをしていたところ、図書館前にCoSTEPの学生募集ポスターを発見。びびっときました。運命的な出会いを感じて、ポスターを見た直後そのまま図書館に駆け込んで申し込みをし、その日のうちに徹夜して文章を仕上げた記憶があります。)

今と少し違うことを考えているところもあり、ほかの人に役に立つかもわかりませんが、響くところのある方がいたらつながりたい…という思いから、当時の志望理由書を以下に全文公開します。内容は2016年4月ごろ当時のものです。

志望理由書

私が北海道大学科学技術コミュニケーター養成プログラムで学びたい理由は、科学に興味のない人を科学の世界に引き込むものを作りたいからです。そして、CoSTEPで学ぶことができれば、そのために必要な技術を知り、磨くことができそうだと思ったからです。

その考えは、CoSTEPのワークショップ(『未来の車窓から~4人の対話を通じて自動運転車開発の是非を考える~』)に参加したり、CoSTEPの活動に携わる方と科学コミュニケーションやCoSTEPについてお話したりする中で得られました。

そこでCoSTEPで以下のようなことを学びたいと思いました。一つは、科学技術を扱ったわかりやすい文章の書き方です。もうひとつは文章と図や写真、イラストの効果的な配置の方法です。

それらを活かして、科学に興味のない人でも手に取りやすい、魅力的なものを作りたいと思います。そして、様々な人たちに向けて、具体的な題材を通して科学の世界観や考え方を発信したいです。具体的には、北海道大学在学中に研究室訪問等を行い、科学の考え方を伝える文章にイラストを添えて、ネット上で公開したいと思っています。イラストを添えるのは、文章だけでは興味を持ちにくいという人のためです。

科学コミュニケーションにおける問題

私の思う科学コミュニケーションの問題は、もともと科学に興味のない人をコミュニケーションの中に取り込むことが難しい点です。

科学に興味をもっている人の中には、小さいころから科学にふれてきたという人が多いでしょう。また、科学関連のワークショップ等に参加する人は、もともと科学に興味があった人が多いのではないかと思います。科学コミュニケーションが科学を題材としたものである以上、それに参加するには科学へのある程度の興味が前提になります。もともと科学に興味のない人は、科学コミュニケーションには参加しにくいのです。

人が何に興味を持ち、自分の世界の中に何を受け入れて生きていくかは、その人が自由に決められるものです。だから、科学に興味のない人はそのままでいていいのだという考え方もできます。しかし現在、科学技術が非常なはやさで進歩し、大いに利用されています。このような時代では、あらゆる人々が科学の考え方にふれ、それを知る機会が必要です。なぜなら、科学は人の人生を決定するうえで大きな役割を果たす知識を提供することもあるからです。その根本にある考え方や世界観を知っておくことで、科学の提供する知識や情報を手にとりやすく、理解しやすくなります。

さて、この問題は科学に興味のない人が科学コミュニケーションに参加するために、何らかのブレイクスルーのきっかけを作ることで解決できると思います。私は、このきっかけづくりに取り組みたいと思います。つまり、科学の世界へのゲートより少し離れたところで、道行く人に声をかける役をしたいと思っています。科学コミュニケーションに参加する前段階として、科学に関する素朴な疑問に答えていくのです。科学者はどんなことを考えて科学に取り組んでいるのか。科学の基本的な姿勢とは何か。そうしたことを、具体的な題材を通してイラストとともに文章にまとめ、公開することで発信していきたいと考えています。

今はどうか

2016年に考えていた、CoSTEPの志望理由書、科学コミュニケーションにおける問題は以上です。

今も科学コミュニケーションの活動を続けていますが、自分よ、指針はしっかりしているだろうか?省みるタイミングが来ています。

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