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人工コピ・ルアク作成プロジェクト

本プロジェクト参加メンバー

 私たちは、東京工業大学 生命理工学院 山田研究室 山田拓司准教授を中心に研究室のメンバー数名で人工コピ・ルアク作成プロジェクトを開始しました。

 当研究室では、生物実験から得られる様々な情報をコンピュータを利用して解析し、これまで知られていなかった新たな生物学的知見を見出す研究を行なっています。

 研究の際に用いる手法を本プロジェクトに取り入れつつ、新たなことにも挑戦することで、このプロジェクトを成功させたいと考えています。

人工コピ・ルアク作成プロジェクトについて

みなさん、コピ・ルアクをご存知ですか?
コピ・ルアクとは、ジャコウネコという動物にコーヒー豆を食べさせて、その糞から採取した豆を使ったコーヒーです。


その希少性から世界最高級のコーヒーと言われていて、なんと一杯数千円します。
では、なぜジャコウネコの糞から採取したコーヒー豆は高級なのでしょうか?


ジャコウネコがコーヒー豆を食べるとお腹の中に存在する細菌によって発酵が行われます。それによってコーヒー豆の風味の滑らかさが生まれます。すなわち、ジャコウネコのお腹の中の細菌によって美味しいコーヒーは生み出されているのです。


そんななか、ジャコウネコのお腹の中にいる細菌が干し柿、ヤマモモ、イチゴ、そしてサクランボに存在する可能性があるということが最近の研究で報告されています。


そこで私たちは、グルコノバクターというコピ・ルアクが作られる際に関与している細菌を果物から単離・培養し、実際にコーヒー豆を発酵させてみようと考えています。

プロジェクトの概要図

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1.果物集め

コピ・ルアクが作られる際に関与しているグルコノバクターという細菌が干し柿、ヤマモモ、イチゴ、そしてサクランボに存在する可能性があると言われています。これらの果物を購入したり、いただいたりして集めます。

2.群集構造解析

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 群集構造解析は、入手した果物にどの細菌がどのくらい存在しているのかを明らかにするために行います。目的のグルコノバクターが本当に果物に存在しているのかを確認することができます。

 ※後日詳しい手法について記事にします。

3.単離・培養

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 単離・培養とは、目的の細菌を取り出し(単離)、人工環境下で育てること(培養)です。

 グルコノバクターを入手した果物から取り出し、培養します。得られたグルコノバクター群を用いてコーヒー豆を発酵しようと考えています。

 ※こちらも後日詳しい手法を記事にする予定です。

4.コーヒー豆発酵

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 2、3の工程が終わりグルコノバクターを得ることができれば、いよいよコーヒー豆を発酵させる工程に入ります。具体的な発酵手法はまだ検討している最中ですが、今のところグルコノバクターがいる糠床のようなものを用意し、それにコーヒー豆を加えることで発酵させようと考えています。

最後に

 このプロジェクトを通じて、発酵の面白さ、微生物の面白さを伝えられれば良いと考えています!

 プロジェクトの進んでいく様子を記事にし、アップしていくので是非読んでみてください!

 

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