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コーヒーの美味しさの正体 その2

前回の記事ではコーヒーの美味しさを決める「味」について紹介しました。

今回も前回に引き続きコーヒーの美味しさについて探っていきます!

今回は「香り」について見ていきましょう👀


そもそも香りって何?

コーヒーについて考える前に、まずは香りというものを科学的な観点から考えてみたいと思います。

普段、何かの香りを嗅ぐとき鼻から息を吸い込みますよね。
このとき感じる香りを「鼻先香(はなさきか)」と言い、香りの成分が鼻に入り、嗅覚を刺激することで匂いを感じています。

でも香りというのはそれだけでなく、味に大きく影響するものもあるんです!

それは食べ物や飲み物を口の中に入れた後、鼻から息を吐くときに口から鼻に抜ける香り、「口中香(こうちゅうか)」です。

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みなさん、鼻が詰まっているときに食べ物や飲み物の味がよくわからず美味しく感じられなかったという経験はあるでしょうか?
このときは口中香が感じられていない状態です。

つまり、口中香は私たちが味の良し悪しを判断する上で重要な役割を果たしているのです!


コーヒーの香りの正体

さて、「香り」が「味」に大きく影響を与えていることがわかったところでコーヒーの話題に戻りましょう。

コーヒーには何百種類もの香りの成分が含まれています。

コーヒーの生豆にはほとんど香りがありませんが、香気成分の元となる糖、アミノ酸、クロロゲン酸などが焙煎によって化学変化を起こすことで、独特な香りが生じます。

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ここで香りに関わっている焙煎時の化学反応には、メイラード反応カラメル化反応ストレッカー分解があります。

前2つは以前の記事でも出てきましたね。

メイラード反応では、糖とアミノ酸が反応することで香ばしさが生じます。また、カラメル化反応では、糖が加熱されて香気成分や苦味が生じます。

ストレッカー分解はメイラード反応の副反応で、アミノ酸がα-ジカルボニル化合物と反応することで香気成分が生じます。


焙煎後の香りの変化

焙煎によってコーヒーの独特な香りが生まれることがわかりましたが、焙煎後のコーヒーの香りには3つの種類があります。

・フレグランス
コーヒー豆を挽いたときの香りです。
この段階が最も香りを発する瞬間であり、コーヒー豆が砕かれることで豆に含まれていた香りの成分が放たれます。

・アロマ
コーヒーを注いだときの香りです。
コーヒーを抽出する際、お湯によってコーヒーの持つ成分がほぐれ、気体になって漂うことで生じます。

・フレーバー
コーヒーを口に含んだときの香りです。
先ほどの「口中香」にあたり、コーヒーの味に関わる部分ですね。

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このように、焙煎後のコーヒーも飲むまでに様々な香りの変化があります。

コーヒーを飲むときは、ぜひこれらの香りの変化にも注目してみてください!


最後に

2週にわたってコーヒーの美味しさの正体を「味」「香り」の観点から見てきました!

難しい単語が多く出てきましたが、科学的な知識を持った上でコーヒーを飲んでみるとまた違った味わいが楽しめると思います☕️
そして少しでも科学を身近に感じてもらえていたら嬉しいです!

本プロジェクトの実験の方も現在進めている最中なので、引き続き応援よろしくお願いします!!


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参考文献

https://www.bucklecoffee.com/blog/?p=538


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