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#1ぶどう山椒の夜明け 「未来の産地づくり」
ぶどう山椒産地のこと
あまり知られていませんが、和歌山県の山椒生産量は全国の60%を占めていて、「ぶどう山椒]という品種の発祥地でもあります。
最近は鰻にかける用途以外に、フレンチやチョコレートにアクセントとして入れたり、その独特の香りに着目したクラフトジンやアロマオイルなんかにも使われ、その可能性はどんどん拡大しています。
上述のとおり市場ニーズは非常に高いのですが、産地は消滅の危機にあります。
実は農家の平均年齢は80歳。未来の産地を担う後継者はほぼ0。さらに農家たちは産地の衰退を「仕方ないこと」とあきらめています。
このまま時が流れると5年先に産地が消滅することは明白であり、産地は大きな転換期を迎えています。
少しずつ増える仲間
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2017年、具体的な戦略がないまま町の産地振興がはじまりました。
いざフタを開けると産地課題が異常に多く、しかも複雑に絡み合っていたことから、何から手を付けるべきかわからず、悩みあぐねていました。
とにかく悩みながらも、できることに手をつけて主に以下に取り組みを進めました。
・地元の関連企業や農家たちとの会議
・地元高校との栽培研究
・トップシェフたちと取り組んだイベント
・大学との連携による認知促進
・若手農家の育成
・農家との関係人口づくり
・デザインできる山村暮らしの提案
なかには失敗に終わったものもありますが…(笑)
取り組みを重ねていくごとに、外部からの協力者があらわれたり、未来の産地を意識する地域の農家があらわれたりして、小さな光が産地に差し込んできたと思います。
未来の産地づくり
では、産地消滅の危機を脱したのかと問われると、まだまだ課題を解決できずにいて、いまも苦しい状況が続いています。
一番の悩みが圧倒的に産地のプレーヤーが少ないことです。
たとえば、ぶどう山椒農家にチャレンジしたい人が現れても、受け入れ育成してくれる人材がいない。中小企業を相手にする出荷組合なる組織が存在しない(めっちゃニーズがあるのに)。ぶどう山椒の生態や病気を解明などする研究者がいない。などなど…。
課題は山のようにあります。
しかし、5年前に比べると「産地を残そう」という地域内のエネルギーは少しずつですが確実に増えていると肌で感じています。
マイナスからやっとスタートラインに立てたところです。