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#12ぶどう山椒の夜明け「ぶどう山椒発祥地を語る」

江戸時代に見出されたぶどう山椒。遠井村(現 和歌山県有田川町遠井区)はその発祥地で、産地の礎を築いた場所でもあり、さらに弘法大師空海が真言密教の聖地を探し歩き、同村を訪れたとの伝承も存在します。知る人ぞ知る同村の文化を守り、次世代に継承しようとするのが白藤勝俊(しらふじ かつとし)さんです。

白藤さんが発起人となり、11月5日に同村の文化にふれるイベント「toi story(トイストーリー) 遠井村の再興」が開催され、空海伝説のガイド、世界遺産 高野山へと続く高野街道の道普請を14人の参加者で行いました。

「寂しくなった遠井村に人が来てくれてありがたい」と白藤さん。その言葉のとおり同村の総人口は39人、山椒栽培に携わる農家も減り、耕作放棄地が至る所に見られます。その状況を憂い、昔の活気ある村を取り戻したいとの強い意志を持つ白藤さんですが、2年前まで廃れゆく村をただ眺めることしかできなかったと話します。

そんな白藤さんに転機が訪れたのが昨年。県外の方から同村のガイドを頼まれたことでした。「初めてのことで戸惑ったが、想像以上の反応に、文化を伝えることは村を守ることにつながるのでは」と手応えを感じた白藤さん。早速、ご子息や山椒農家などに声をかけ、同村を守る団体を立ち上げたそうです。

今回開催したイベントも団体活動の一環で、「イベントを機に、地域との関わりをつくってもらい、次世代を担う山椒農家や移住者の誕生につながれば」と白藤さんは展望を語ってくれました。

地域文化を残すために情熱を注ぐ白藤さんの挑戦は続きます。

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