#10ぶどう山椒の夜明け「ぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト」

産地消滅の危機に瀕する「ぶどう山椒」を未来へ残そうと産地振興に奔走しているのが龍谷大学経営学部の藤岡章子教授とゼミの大学生たちです。2019年、和歌山県有田川町からのオファーを受けて開始したプロジェクトは4年目を迎えます。

先生たちが始めに取り組んだのが山椒の用途開発です。市場調査したところ、山椒は粉山椒など用途が固定化されていることがわかり、学生ならではの着眼点から企業や地元農家と用途開発を進め、高付加価値化を目指し奔走していました。

その矢先、新型コロナウイルスの影響を受けて、企業や農家との交流が絶たれたうえ、通学さえも許されないなど、苦難に直面し、学生たちのモチベーションは行き場を失いかけていました。苦境のなか、先生は「私たちが今できることは何かを考え抜いた」と当時を振り返ります。

先生たちはすぐにゼミ内のやりとりをオンライン化し、さらに農家へのヒアリングや企業との商品開発の打ち合わせもオンライン中心に切り替えるなど、不測の事態に屈することなくプロジェクトを推進されました。

努力が結実し、4年間でカレー、スパイスミックス、マドレーヌ、餃子など累計13商品を誕生させ、ぶどう山椒の認知促進に大きく寄与するともに、売上の一部は山椒の苗の購入費に充て、産地を未来へつなぐサイクルを創り上げることもできました。

「ぶどう山椒を知り、口にしていただける機会ができ、確かな手応えを感じている。今後は、産地内の農家や企業の輪を広げ、産地を盛り上げたい」と語ってくれました。

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